グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

熱波を乗り切る: 気候変動による猛暑にさらされるインド

ロバート・ミゾ  |  2023年07月13日

6月末、インド北部ではいつものようにモンスーンの雨が降り始めた。3月から焼けつくような暑さに苦しめられてきた同地は、この雨でほっとひと息つくことができた。2023年にインド北部一帯を襲った熱波による死者は100人以上にも上り、危険にさらされた住民の多くが医療の助けを求めたことから、世界中で大きく報道された。

ウクライナ戦争の政治的解決を探る

シャーム・サラン  |  2023年07月11日

ウクライナ戦争は、ロシアとウクライナとの間ではなく、ロシアと米国率いるNATOとの間の戦争である。ロシアが表明した「特別軍事作戦」の目的は、今後NATOがこれ以上ロシア国境に向かって拡大するのを防ぐことである。また、この軍事作戦を通して欧州安全保障構造の改変を余儀なくさせ、自国にとって不可欠な安全保障上の利益を受け入れさせることも望んでいる。これは、ウクライナ侵攻の直前にロシアが米国に提示し、米国が拒絶した一連の要求からも十分明確に見て取れる。

ワグネルの反乱: 戦略的敗北か欺瞞作戦か?

ラメッシュ・タクール  |  2023年07月07日

ワグネルの反乱は、どうも話がおかしい。つじつまが合わないのだ。世界の目をくぎ付けにした非現実的な24時間については、ハルバート・ウルフが簡潔なまとめを提供している。しかし、パズルには欠けたピースがあり、まだわれわれはそれを手にしていない。そして今度は、ワグネルの代表がロシアのサンクトペテルブルクに戻っていることが判明した。

ビジネスとしての兵力:ワグネル部隊の祭りは中止された

ハルバート・ウルフ  |  2023年06月28日

エフゲニー・プリゴジン率いる傭兵組織ワグネルのモスクワ侵攻は24時間も経たずに終了した。短命に終わったクーデターは革命というよりオペレッタに近かった。この攻撃がウラジーミル・プーチンの権威と権力を恒久的に弱体化させたかはまだ分からない。

G7後の北東アジア展望: 強風、荒波、さらには危険な嵐か

ヒュー・マイアル  |  2023年06月20日

G7サミットの後、北東アジアには緊張状態が続いている。サミットは、この地域における利害や秩序の対立を調整するのではなく、米国主導の秩序の原則を強く主張したためだ。

加盟国拡大のための追加BRICS

ハルバート・ウルフ  |  2023年06月18日

BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の外相が6月初めに南アフリカで会合を開き、新規の加盟国とBRICS通貨の創設という二つの主要議題について話し合った。西側列強に対抗するBRICSの野心を再確認した。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。