
「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
核兵器への盲信を支える神話
ラメッシュ・タクール | 2025年08月09日
戦争で原子爆弾が初めて使用されたのは、1945年8月6日の広島である。最後に使用されたのは、その3日後の長崎だった。1980年代には米国とソ連の保有弾頭数がピークに達し、数万発に上ったにもかかわらず、1945年以降80年間、核兵器が再び使われなかった最も単純な理由は、それらが本質的に「使えない」兵器だからである。
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ツバル国民の3人に1人が新設されたオーストラリア移住の「気候ビザ」に応募
ジェーン・マックアダム | 2025年07月03日
ツバル国民の3人に1人が、新設されたオーストラリア移住の「気候ビザ」に応募している。最終的には全員が応募することになるかもしれない理由を解説する。
選択は今もなお明白: 80周年迎えた国連憲章を再確認する
ジョーダン・ライアン | 2025年06月27日
以下の記事は、2025年6月26日にジョーダン・ライアンが国連憲章調印80周年に寄せて語ったものである。 今から80年前、サンフランシスコに世界中の国から代表者が集まった。ある文書に調印するだけではなく、ある約束をするためだった。
世界の軍事費急増が気候変動対策の脅威に
エリー・キニー | 2025年06月19日
軍事費の増大は、われわれが今すぐ行動しない限り、世界の気候変動対策を弱体化させるだろう。 今週、われわれは共同報告書 “How increasing global military expenditure threatens SDG 13 on Climate action”(世界の軍事費増大は気候変動対策に関するSDG13をいかに脅かすか)を発表した。これは、世界的な軍事費増大が持続可能な開発目標(SDGs)の達成に及ぼす影響について国連軍縮部が報告書を作成するよう呼びかけたことに応えて執筆されたものである。
ドナルド・トランプ: 運も専門知識もない自称ピースメーカー
ハルバート・ウルフ | 2025年06月03日
米国のドナルド・トランプ大統領は、1期目の頃から、戦争を迅速に終わらせ、紛争を解決するという意図を掲げていた。彼は、ウクライナ戦争を「24時間以内に」終わらせることを目指した。これは失敗に終わり、戦争の終わりははるか先のことのようだ。2018年と2019年にシンガポール、ハノイ、そして南北朝鮮間の非武装地帯で行われたトランプと北朝鮮の独裁者金正恩(キム・ジョンウン)との「歴史的会談」は、「ディール」なしで終わった。ガザ戦争も続いており、イスラエル軍による残忍な行為は衰えを知らない。イランの核計画をめぐる交渉にはほとんど進捗が見られない。トランプ政権は、フーシ派が軍事的に壊滅したと主張している。しかし、それに対する疑念はもっともなことだ。インドとパキスタンの間で4月末から5月初めに再燃した紛争だけは、どうやら食い止められたようだ。
アラブの「MAGA」リセット?
ラルビ・サディキ | 2025年05月20日
ドナルド・トランプ米大統領が世界で最も豊かな湾岸3カ国を訪問したことで、アラブのMAGA(Make the Arab world Great Again:アラブ世界を再び偉大に)の展望を再考する必要性が浮き彫りとなった。その狙いはアラブ世界をトランプ的なイメージで変革することではない。つまり、中東における「他者」についての偽りのイデオロギー的言説や、民主主義への責務に対する無関心に基づいたMAGAではない。むしろアラブのMAGAは、過去と未来を共有する共同体という共通の夢への攻撃に反撃するものでなければならない。本稿で詳述するように、アラブの連帯と民主主義の探求という価値を取り戻さなければならない。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。