グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

太平洋平和度指数は必要か?

アンナ・ナウパ  |  2025年09月05日

世界的に見て、平和度の平均レベルは0.36%の悪化を示している。地政学的緊張、紛争の増加、経済の不確実性の増大を背景に軍事化を強化する国が増えているためだ。 しかし、この統計には太平洋島嶼国の大部分が含まれていない。2025年の世界平和度指数(GPI)のランキングに含まれているのは、わずか3カ国である。163カ国のうちニュージーランドが3位、オーストラリアが18位、そしてパプアニューギニアが116位である。

AIドローンが変える核兵器の未来

エスラ・セリム  |  2025年08月25日

エスラ・セリムは、人工知能(AI)を搭載したドローン技術の急速な進展が、核兵器の運搬能力、精密な標的設定、そして抑止力を大幅に強化していると論じている。しかし、自律型ドローンシステムの拡散は、戦略的かつ倫理的に深刻な課題も生み出している。世界の安定を確保するためには、強固な国際的枠組みの構築が不可欠である。

核兵器への盲信を支える神話

ラメッシュ・タクール  |  2025年08月09日

戦争で原子爆弾が初めて使用されたのは、1945年8月6日の広島である。最後に使用されたのは、その3日後の長崎だった。1980年代には米国とソ連の保有弾頭数がピークに達し、数万発に上ったにもかかわらず、1945年以降80年間、核兵器が再び使われなかった最も単純な理由は、それらが本質的に「使えない」兵器だからである。

国際司法裁判所が歴史的判断――気候変動は「あらゆる生命を危険にさらす」と認定、対策怠る国に警告発する

ジャクリーン・ピール  |  2025年07月31日

国際司法裁判所(ICJ)は、気候変動は「あらゆる生命を危険にさらす」ものであり、各国は気候変動対策を講じなければ国際法に基づいて責任を負わなければならないとの判断を下した。

和平合意に必要な四つの要素――コンゴ民主とルワンダの合意は満たしているか?

フィリップ・カストナー  |  2025年07月19日

2025年6月、コンゴ民主共和国(DRC)とルワンダの両政府は、DRC東部で何十年にもわたり続いてきた紛争を終結させるための和平合意を締結した。国連はこの合意を、同地域における「緊張緩和、平和と安定に向けた重要な一歩」として歓迎した。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。