グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

〈特別インタビュー〉 核兵器禁止条約 第1回締約国会議 アレクサンダー・クメント議長

樹下智  |  2022年07月11日

最大の成果は、最終日に、核なき世界を目指す「ウィーン宣言」と、50項目からなる「行動計画」を採択できたことです。多国間で合意された核軍縮に関する文書で、これ以上に強力なものは今までなかったと思います。これほど多くの国が、核兵器の脅威を訴え、(保有国による核兵器の維持・近代化・改良・増産など)現在の誤った方向性を批判し、核兵器を全面禁止することを強く支持したわけですから。

ウクライナ後の核軍備管理・軍縮はどうなる? ある日本人の視点

阿部信泰  |  2022年06月30日

 ロシアがウクライナ側からの攻撃や挑発がないにもかかわらず同国に侵攻したことは、紛争の平和的解決、国家主権と領土保全の尊重、内政不干渉という国連憲章の基本原則に反するとして非難された。日本では、ロシアと同じく独裁国家である中国が台湾に軍事行動を起こすことが強く懸念されていたためか、強い反発があった。これは、2014年にロシアがクリミアを併合した際の日本の控えめな反応とは明らかに対照的であった。当時、安倍晋三首相は日本とロシア間の領土問題を解決するための和解の可能性に依然として期待を抱いていた。中国は日本にとって安全保障上の最大の脅威と考えられている。最近日本で行われた世論調査では、回答者の61%が、中国が日本にとって最大の脅威であると答え、15%がロシア、6%が北朝鮮を挙げていた。

核不拡散から核兵器禁止と核軍縮へと至る道筋: ロードマップ、ロードブロック、スピードバンプ

ラメッシュ・タクール  |  2022年06月28日

この記事は、“The Nuclear Ban Treaty: A Transformational Reframing of the Global Nuclear Order”(Routledge, 2022)の発刊を記念して、2022年6月24日(金)にウィーン軍縮不拡散センターで執筆者が行ったスピーチのテキストです。

核兵器禁止条約第1回締約国会議に寄せて 戸田平和研究所上級研究員ラメッシュ・タクール氏

南秀一  |  2022年06月20日

核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、6月21日からオーストリアのウィーンで行われる。会議に合わせ、戸田記念国際平和研究所では、同条約に関するワークショップを開催する。同研究所の上級研究員でオーストラリア国立大学核不拡散・軍縮センター長のラメッシュ・タクール氏に、条約の意義と核兵器を巡る現状を聞いた(聞き手=南秀一)。

先住民を脅かす気候変動――彼らの視点を取り入れよ

カリン・ゲルハルト/ジョン・デイ/ラリッサ・ヘイル/スコット・F・ヘロン  |  2022年06月13日

オーストラリアの先住民は気候変動による多くの脅威に直面しており、それは食料供給から健康問題にまで及ぶ。例えば、海面上昇によりすでにトレス海峡の島々では浸水が発生しており、壊滅的な被害が生じている。

揺らぐ米国のリーダーシップが生み出す不安定な世界秩序

チャンイン・ムーン(文正仁)  |  2022年06月02日

地政学において、覇権とは一つの国に権力が集中することを指す。覇権国が力によって世界を支配するとき、帝国が誕生する。しかし、国家がその地位を利用して新たな世界秩序を築き、共同の繁栄と平和を国際社会にもたらす場合には、その国家は覇権的リーダーシップを確立することができる。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。