グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

雨漏りする屋根: 「アジアの世紀」脅かすヒマラヤ融解

ロバート・ミゾ  |  2024年03月15日

世界の屋根が雨漏りしている。より正確には、融けている。脆弱なヒマラヤの生態圏は、気候変動が引き起こした気温上昇による大きな脅威に直面している。これは、生態系への影響をもたらすだけでなく、下流に住む何百万もの人々の生活を、政治的境界や文化を超えて、破壊はしないまでも変えてしまうだろう。次なる世界的大国と目され、「アジアの世紀」の二大主役として競い合ってもいる中国とインドは、経済や政治の安全保障という点でヒマラヤの健全性に負うところが極めて大きい。

安全保障は抑止のみにあらず

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2024年02月27日

朝鮮半島の戦略的安定性を模索するために、われわれは安全保障のジレンマの果てしないサイクルを最小限に抑えることができる抑止手法を編み出す必要がある。

ニュージーランドで最も議論呼ぶ気候訴訟が進展――世界も注視

バーノン・リーブ  |  2024年02月14日

2024年2月、ニュージーランド最高裁判所は、同国で最大の温室効果ガス(GHG)排出企業グループを相手取り、マオリの長老マイク・スミスが起こした訴訟に対する画期的な判決を下した。

2024年に注視するべき五つの紛争

トビアス・イデ  |  2024年01月15日

本稿では、2024年に世界が注視すべき五つの紛争を手短に取り上げたい。人命を危機にさらし、生計を損ない、従って注視に値する紛争はこれよりもっと多いことは明らかである。

「明日はどうなるか分からない」: 気候変動がフィジー人の精神的健康に及ぼす影響

エイミー・ライキンス/スザンヌ・コッシュ  |  2024年01月11日

世界のどの地域も、気候変動の影響を免れることはできないだろう。気温の上昇、山火事や洪水のような極端な気象現象の頻度と強度の増大、海面の上昇などである。

COP28 – 大きな失望とかすかな希望

フォルカー・ベーゲ  |  2024年01月03日

COP28の閉会会議で、サモア代表で小島嶼国連合(AOSIS)の首席交渉官を務めたアン・ラスムッセンは、「われわれが本当に必要としているのは行動の飛躍的な変革であるのに、これまで通りのやり方を少しずつ前進させるにとどまっている」と、会議成果への失望を歯に衣着せずに表明した。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。