
「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
アルカイダ、タリバン、そしてアフガニスタンの悲劇
アミン・サイカル | 2022年09月10日
世界が今週末、9・11テロ事件の記念日を迎えるとき、他の二つの出来事も思い起こすべきだ。まず、ニューヨークとワシントンへのテロ攻撃の2日前である2001年9月9日、アフガニスタン軍司令官アフマド・シャー・マスードがアルカイダのエージェントによって暗殺された。マスードは、1980年代にはソ連軍と、次いで1990年代にはタリバン・アルカイダ連合と戦っていた。三つの暗い出来事の最後の一つは、1年前にアメリカおよび同盟国がアフガニスタンから撤退する中でタリバンが復権したことである。これらが合わさって、今日のアフガニスタンが陥っている混乱のもととなっている。
ゴルバチョフは世界を変えた
ラメッシュ・タクール | 2022年09月04日
多くの人は、家族の衣食住を確保し、教育を与え、子どもが社会階層のはしごを一段上がることを助け、人生のたそがれには快適な退職生活を送りたいという控えめな願望を持っている。しかし中には、もう少し上を望み、人類の活動の中で自分の選んだ分野に足跡を残したいと考える人もいる。さらにその中でも、「世界を変えた」と言える人はほんの一握りしかいない。
長崎は核攻撃を経験した最後の地となるか?
文正仁(ムン・ジョンイン) | 2022年08月25日
1945年8月9日午前11時2分、米軍のB-29スーパーフォートレスが長崎の中心地上空に「ファットマン」を放った。21キロトンの原子爆弾による爆風と衝撃波が市街地を破壊し、民間人約74,000人を殺害した。犠牲者には推定1万人とされる朝鮮人も含まれていた。
タリバンの悲惨なアフガニスタン統治が1年を迎える
アミン・サイカル | 2022年08月19日
アフガニスタン統治から1年が経った今なお続く、タリバンによるイスラムの名における過激な残虐行為と、包摂的な政府と人権尊重を求める国連主導の国際的な要求の無視は著しい。タリバン政権は世界の承認を得ておらず、アフガンの人々はアフガニスタンの現代史において最悪の人道危機の只中にある。この国の将来の見通しがこれほど暗かったことはない。
プーチンの戦争はいずれ終わる―備えるべき5つのポイント
トビアス・デビール | 2022年08月17日
行き詰まりを迎えているのはウクライナの戦争だけではない。政治外交面でもほとんど動きがない。とはいえ、交渉の礎となるものはいくつか挙げることができる。公の議論はこれらにより注意を払うべきだろう。
偽情報: 信仰に基づく組織に対する脅威の高まり
プリトビ・イエル/ゾーイ・スコリック | 2022年08月08日
公衆衛生への取り組みの妨害や選挙戦の混乱など、世界中で偽情報が国民の信頼や民主主義の原則を脅かしている。しかし、国際社会において偽情報がますます大きな話題となりつつあるにもかかわらず、信仰に基づく非政府組織(NGO)の運営やその公共イメージに対する偽情報の影響は、余り取り上げられていない。米国で活動する海外支援組織の60%近くが信仰に基づく組織であることを考えると、これらの組織に対する偽情報の影響を把握するだけでなく、組織の人道的活動に悪影響が及ばないよう偽情報に対抗する戦略を検討することも重要である。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。