
「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
タリバンの悲惨なアフガニスタン統治が1年を迎える
アミン・サイカル | 2022年08月19日
アフガニスタン統治から1年が経った今なお続く、タリバンによるイスラムの名における過激な残虐行為と、包摂的な政府と人権尊重を求める国連主導の国際的な要求の無視は著しい。タリバン政権は世界の承認を得ておらず、アフガンの人々はアフガニスタンの現代史において最悪の人道危機の只中にある。この国の将来の見通しがこれほど暗かったことはない。
プーチンの戦争はいずれ終わる―備えるべき5つのポイント
トビアス・デビール | 2022年08月17日
行き詰まりを迎えているのはウクライナの戦争だけではない。政治外交面でもほとんど動きがない。とはいえ、交渉の礎となるものはいくつか挙げることができる。公の議論はこれらにより注意を払うべきだろう。
偽情報: 信仰に基づく組織に対する脅威の高まり
プリトビ・イエル/ゾーイ・スコリック | 2022年08月08日
公衆衛生への取り組みの妨害や選挙戦の混乱など、世界中で偽情報が国民の信頼や民主主義の原則を脅かしている。しかし、国際社会において偽情報がますます大きな話題となりつつあるにもかかわらず、信仰に基づく非政府組織(NGO)の運営やその公共イメージに対する偽情報の影響は、余り取り上げられていない。米国で活動する海外支援組織の60%近くが信仰に基づく組織であることを考えると、これらの組織に対する偽情報の影響を把握するだけでなく、組織の人道的活動に悪影響が及ばないよう偽情報に対抗する戦略を検討することも重要である。
太平洋島嶼国にとって最も重要な安全保障上の懸念は、中国ではなく気候変動
フォルカー・ベーゲ | 2022年08月02日
2022年7月半ばにフィジーのスバで開催された太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国の首脳会議は、通常以上に地域を超えた国際的注目を浴びた。中国と米国の間で地政学的競争が高まっている時期の開催だったからである。また、2019年以来初めての対面による首脳会議でもあった。過去2年間、コロナ禍により対面会議を開催することができなかったのである。
中国が北朝鮮の非核化を妨げているというポンペオの主張
文正仁(ムン・ジョンイン) | 2022年07月28日
北朝鮮の核問題は、米国と北京の協力なくして解決することはできない。しかし、ポンペオのレトリックでは、それはほぼ不可能に近い。
核共有への懸念: 核軍備管理に痛手
ハルバート・ウルフ | 2022年07月23日
ウクライナで戦争を始めて以来、ロシアは繰り返し核兵器に言及しており、その結果、核兵器が戦略論議の表舞台に再浮上している。これは、欧州に核戦争が起こるのではないかという懸念を引き起こし、核軍備管理への痛手となっている。残念なことにロシアの思考は波及効果をもたらし、NATOは、核抑止の必要性、特に欧州における核共有プログラムの必要性を改めて強調している。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。