グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

気候変動により住む場所を奪われた人々は難民ではない

ティール・クロッセン  |  2022年10月13日

はっきりさせておこう。気候崩壊によって住むところを奪われた人々は、国際法に基づく気候難民ではない。彼らは自国の政府による迫害のために国を追われているのではない。移民でもない。仕事や教育を求めて、あるいは家族の近くにいるために、去っていくのでもない。そうではなく、大気汚染を続けるという他国の選択によって、何百万人もの人々が、彼らを保護する法的枠組みがない中、故郷を失う可能性が高いのだ。

デジタル公共空間のためにテクノロジーの「トラスト&セーフティ」を構築する

リサ・シャーク  |  2022年10月10日

カリフォルニア州パロアルトで今週(9月29・30日)、「トラスト&セーフティ」の第1回年次会議が開催された。ZoomやMeta、TikTok、DoorDashのテクノロジープラットフォームの担当者が、ソーシャルメディア・プラットフォーム上の有害コンテンツを減らす方法を研究している研究者と会合した。

オーストラリア政府は気候変動への対処を怠りトレス海峡諸島民の権利を侵害、と国連が認定

クリステン・ライオンズ  |  2022年10月04日

国連の委員会は9月23日(金)、オーストラリアの前連立政権が気候危機に十分に対処しなかったことによりトレス海峡諸島民の権利を侵害したと認定する画期的な決定を下した。

北朝鮮の核:抑止と認知を超えて

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年09月30日

ある専門家が評したように、北朝鮮に関する進展は、我々が北朝鮮の視点で物事を見てはじめて分かる。朝鮮半島情勢は危うさを増している。北朝鮮のリーダー金正恩(キム・ジョンウン)は、9月8日の最高人民会議における演説で核政策について詳しく定める法律の成立を宣言した際、同法を「注目すべき出来事」であり「歴史的大義」であると説明した。

太平洋の首脳らが気候危機への再注目を促す

フォルカー・ベーゲ  |  2022年09月29日

2022年9月の第77回国連総会において、太平洋の小さな島国(あるいは「大洋」の国々)の首脳らは、地球規模の気候危機への再注目を促した。これらの国々は気候危機の原因に殆ど関与していないにもかかわらず、その影響を最も受けるという事実に基づく倫理的権威を用いて、太平洋のリーダーたちは、もっと思い切った気候アクションを要求し、新しい提案や取り組みを提唱した。

北朝鮮の核兵器使用の可能性:「自動的かつ直ちに」

ハルバート・ウルフ  |  2022年09月17日

ウクライナの戦争とメディアの並々ならぬ注目の陰で、北朝鮮の核の野望をめぐる争いは、現在のところ後景へと退いている。平壌の政権は核開発計画を長年継続して進めてきた。今年前半の多くのミサイル実験の後、国営ニュース機関である朝鮮中央通信(KCNA)の英文記事によれば、最高人民会議は9月8日、「朝鮮民主主主義人民共和国核戦力政策」に関する法律を可決したという。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。