グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

ロシアのウクライナ侵攻による環境・気候被害への深刻な懸念

松下和夫  |  2022年04月22日

戦争は最悪の環境破壊であり、人権破壊である。ロシアによるウクライナ侵攻はまさに人道的危機に他ならない。また、戦争による環境破壊は甚大で、その影響は長期に及ぶと懸念される。たとえ戦争が終結しても、環境破壊と汚染は復興を困難なものにするだろう。

ロシア・米国が並走する核紛争への道

ラメッシュ・タクール  |  2022年04月07日

2020年の大統領選で、ドナルド・トランプ大統領の支持者は明白な性格的欠陥よりも国内政策や外交政策の成果に目を向けたが、反対派はいかなる政策的成果を評価するにも彼の性格に目をつぶることはできなかった。ジョー・バイデンが大統領になったのは、米国人のバイデン票と同じぐらい反トランプ票があったからである。しかし、世論調査にはっきりと表れた「購入者の後悔」を見ると、どうやら有権者は、自分が何を望んでいるかを慎重に考えるべきだったようだ。

欧・米の“ダブルスタンダード”

ハルバート・ウルフ  |  2022年04月05日

現在、ウクライナ戦争の賛否の理由を論じたり、あるいはこの戦争の惨状を歴史的な論拠で説明するために、歴史になぞらえたアナロジーが非常によく用いられている。

最良の時代、最悪の時代

ジョセフ・カミレリ  |  2022年04月02日

あらゆる側面から重大な問題が私たちに押し寄せている。ある日は新型コロナウィルス感染症、次の日はウクライナ危機、その翌日は気候変動の惨状、そして人種差別の様々な醜い顔...。数え上げればきりがない。これらは、単につながりのない苦悩なのか、それとももっと深刻な病の症状なのだろうか。私たちはどのようにこれらの状況を理解すれば良いのだろうか。政治的駆け引きやプロパガンダ、ありきたりの決まり文句を超えることはできるだろうか。このようなことについて、どのように他者とコミュニケーションをとればよいのだろうか。どのように対応すればよいのだろうか。

最新のIPCC報告書: 太平洋島嶼国に朗報なし

フォルカー・ベーゲ  |  2022年04月01日

気候変動の影響・適応・脆弱性に関する最新のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書(2022年2月28日発表)では、気候変動の影響がこれまで考えられていたよりも深刻で、今決定的な行動を取らなければ、状況は予想以上に急速に世界中で悪化していくことが示されている。そして、低地の島嶼国や島々は最も深刻な影響を受け、真に存続の脅威に直面することが強調されている。これは、特に太平洋島嶼国(PICs)にとって悪い知らせである。

イラン航空IR655便とマレーシア航空MH17便、2つの航空会社の物語とダブルスタンダード

ラメッシュ・タクール  |  2022年03月23日

1988年7月3日、イラン領海内に停泊中の米海軍艦「ヴィンセンス」が2発の地対空ミサイルを発射して、イランの旅客機を撃墜、290人の乗客乗員全員が死亡した。ヴィンセンスの艦長と乗組員は、後に勲章を授与された。ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領は、「アメリカを代表して謝罪することはない。事実がどうであれ構わない」と言い張った。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。