グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

偽旗作戦とフェイクニュースの出会い: ウクライナ侵攻はどうなるか

ラメッシュ・タクール  |  2022年02月19日

NATOの初代事務総長を務めたイスメイ卿は、NATOの使命を「ソ連を締め出し、米国を引き入れ、ドイツを抑え込むこと」と印象的に表現した。冷戦が終結しても解散するのではなく、NATOはその存在を正当化する新たな敵と使命を求めて軍事同盟となった。

国家安全保障政策が基盤とすべきひとつのこと:事実

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年02月15日

近年、韓国でも他の国でも、客観的真実と世論の境界が曖昧になっており、主観的な憶測が事実よりも幅をきかせているようだ。例えば米国では、気候否定論、反ワクチン運動、不正選挙の主張といった陰謀論は、司法判断、政府や信頼性の高い研究機関による発表よりも大きな政治的影響を及ぼしている。このような傾向は、政策に関する健全な議論を妨げ、合理的な政策策定を困難にする。

米国と同盟国がアフガニスタンに残したもの

アミン・サイカル  |  2022年02月09日

アフガニスタン戦争は、米国とその同盟国にとっては終了した。しかし、イスラムの名を借りたタリバンの過激主義的、抑圧的な支配の下で、アフガニスタンの人々の苦しみはいっそう大きくなっている。今日、アフガニスタンほど、人口の半分を飢餓で失う危機に瀕している国はない。この責任は誰にあるのか?

ウクライナ危機はパワーシフトの時代の地政学的な断層を映し出す

ラメッシュ・タクール  |  2022年01月31日

あらゆる大国は、外交政策を貫く組織原則を必要とする。大国は歴史の潮流の中で盛衰するもので、繁栄が永遠に続く国もなければ、永遠に衰退し続ける国もない。ある大国の退潮が恒久的な衰退の始まりなのか、それとも単に一時的な後退なのかを確実に判断する方法はない。パワー移行期における地政学的な断層は、相対する大国の誤算に根差した戦争を引き起こす重大なリスクを孕んでいる。

金王朝:揺るぎなき支配力

ハルバート・ウルフ  |  2022年01月19日

金正恩が2011年12月に北朝鮮の権力を握った時、多くの識者らが故金正日の息子で初代主席金日成の孫である、わずか28歳の政治未経験なこの人物が権力の座に長くとどまることは難しいだろうと予測した。共産主義の金王朝は間もなく終焉を迎えるだろうと見られていた。しかし、10年後の今日、独裁者は揺るぎない支配力を握っている。さて10年後の彼の経済や安全保障を巡る実績はどうなっているだろうか。

韓国のレジリエンス戦略に向けて

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年01月17日

2022年はあらゆる面で韓国のレジリエンスが試される勝負の年となるかもしれない。われわれは、2022年を迎えた。昨年は新型コロナや他の問題で多大な困難に直面したが、韓国の国際的威信は1段階上がったというのが大方の見方である。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。