グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

気候変動とインド・マニプール州の部族集落

ロバート・ミゾ  |  2022年03月21日

気候変動の影響は広範囲であり、自然と密接に調和して伝統的な生活を送る部族集落にもそれは及ぶ。彼らにとって、気候変動は人権と平等の問題である。なぜならそれは、土地の劣化、農業の変化、降雨パターンの変化、害虫や病気の発生率の増加などによって、彼らの伝統的な生活様式や生産方法を破壊するからである。

核兵器禁止条約: 今後の見通し

ケネディ・グラハム  |  2022年03月19日

核兵器禁止条約(TPNW)第1回締約国会議(CMP-1)は、2022年中頃に予定されている。賛否両論のこの条約を今後何が待ち受けているのだろうか?

プーチンのウクライナでの行動は卑劣だが、ロシアはNATOにひどく挑発された

ラメッシュ・タクール  |  2022年03月15日

アルタ・モエイニは、バラク・オバマ大統領が「ワシントンプレイブック」と呼んだ外交政策の台本(その多くは軍事力の行使につながっている)に触れながら、西側の支配的エリートが主流メディアと結託して、善悪二元論の枠で誰もが感じる同情という自然な反応を特定の報復を求める道徳的な怒りへと仕向けている、と記している。その結果、アメリカの戦争マシーンが有効化され、高貴にさえなっている。しかし、これが機能するには、まずもってこの危機を引き起こした自らの責任というものを強力に否定してかからねばならない。

ウクライナ戦争におけるエスカレーションとデ・エスカレーション

トビアス・デビール、ハルバート・ウルフ  |  2022年03月15日

遅くとも2021年からウクライナ紛争をエスカレートさせてきた犯人が明白に存在する。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領である。彼は、その好戦的で冷笑的な戦争レトリックによって平和的解決の可能性を潰した。ウクライナは非武装化を要求されているだけでなく、存在する権利さえ否定されている。これに加え、「非ナチ化」という突拍子もない言い分や、西側が侵略を邪魔すれば核エスカレーションも辞さないという脅しもある。プーチンは、いわゆる「抑止力」を警戒態勢に置き、西側の制裁を宣戦布告とみなし、作戦面でもレトリック面でもエスカレートしていった。

ウクライナと核リスクに関する三つのコメント

ラメッシュ・タクール  |  2022年03月14日

核不拡散・核軍縮アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)は、10年前の設立以来、三つの包括的目標を掲げて核の脅威に取り組んできた。核拡散に断固として反対する必要性、核軍縮に向けた信頼できる措置を取ること、核リスクを高める地政学的緊張を緩和する重要性である。ウクライナでは、この三つ全てが作用している。

回避できたはずのウクライナの悲劇

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年03月12日

ウクライナで起きたことにはさまざまな見解があるだろうが、突き詰めて考えれば、最も重要なそして悲劇的な事実は、このすべての破壊は回避できたはずだということである。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。