「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
戦略的ジレンマ:効果的な対中国戦略を探るドイツ
ハルバート・ウルフ | 2022年11月24日
現在、ドイツでは中国との関係が再考されている。これは、EUでも起こった、より長い経緯の結果である。ロシアのガス、石炭および石油の供給にドイツが依存していたことのショックが、中国との関係を特にセンシティブなものにしている。ドイツは、ロシアの原材料と化石燃料への依存度が高いだけでなく、中国とも、経済的により緊密な相互関係がある。というのも、中国は、ドイツの輸出相手国第2位であり、輸入相手国としては第1位なのだ。この議論は、経済的依存度およびアジア内外における中国の強気な外交・安全保障政策の両方が理由で加速している。
太平洋の一国がメタバースに自らをアップロードする
ニック・ケリー/マーカス・フォス | 2022年11月21日
それは絶望的な計画だが、隠されたメッセージがある。太平洋の国ツバルは海面上昇という存亡の危機に対応するため、メタバースに自国バージョンを作成することを計画している。ツバルのサイモン・コフェ法務・通信・外務大臣は、COP27で各国首脳に向けて戦慄的なデジタル演説をして、この発表を行った。
知識のバスケットを満たす: 太平洋地域の気候変動、人の移動、平和構築をめぐるワークショップ
フォルカー・ベーゲ | 2022年11月14日
そのわずか数日前にニュージーランドのウェリントンで開催されたワークショップでは、この地獄行きの旅が太平洋地域のコミュニティーや国家の安全保障と平和にどのような影響をもたらすかを検討した。参加者は同時に、太平洋地域内外の政策立案者、実務専門家、研究者からなる多様なグループの専門知識と経験を駆使し、地獄への高速道路から降りる道筋を模索した。
のけ者国家を承認するべきか?
ハルバート・ウルフ | 2022年11月10日
今こそ現実に向き合い、北朝鮮が運用可能な核兵器を保有していることを認識するべき時だ。国際社会(あるいは少なくとも韓国とその密接な同盟国である米国)は、北朝鮮を核保有国と認めるべきだろうか?
米国との経済安全保障同盟は韓国にとって最善の利益か?
文正仁(ムン・ジョンイン) | 2022年11月07日
軍事同盟と価値同盟については、韓国では過去にも保守政権が提唱したことがあるが、経済安全保障同盟はかなり目新しい概念である。しかし、われわれは、点滅する赤信号に警戒するべきである。
イランの政治体制は綱渡りの限界に来たのか?
アミン・サイカル | 2022年10月27日
イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイは、過去数週間にわたりイランを揺るがしている大規模な騒乱を扇動しているとして西側諸国を非難した。しかし、彼の訴えはもはや聞き流されている。当局の強硬な取り締まりにもかかわらず、デモ参加者の数は膨れ上がっている。イスラム政権は、1978~79年の革命でモハンマド・レザー・シャーによる西側寄りの独裁政権が倒れた後に誕生して以来、正当性が問われる最も深刻な危機に直面している。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。