グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

世界のトップテーブルで。2023年はインドの年か?

ハルバート・ウルフ  |  2023年01月18日

2023年はまさにインドの世界政治の年となるかもしれない。それを後押しする三つの事情とは、インドがG20の議長国を務めること、ウクライナ戦争でインドが果たす興味深い役割、そして中国に対する批判的な見方がますます広がっていることである。

COP27におけるインド: 中心的役割を果たしたか?

ロバート・ミゾ  |  2022年12月07日

気候変動に関する国際交渉においてインドが重要なアクターであることは、近頃シャルム・エル・シェイクで開催された条約締約国会議(COP)27で如実に示された。2015年のパリ協定で約束したことを達成するため、締約国間の新たな連帯を追求するサミットで、インドは国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国としてきっぱりと主張しつつも、協調的な姿勢を見せた。

絡み合う危機の時代?

トビアス・イデ  |  2022年12月05日

過去3年間のニュースを追っていると、世界は永久に危機的状況が続くのではないかという印象を受けるかもしれない。気候変動は間違いなく現代の最も大きな課題であり、トップニュースはしばしば新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に関するもので占められ、ロシアによるウクライナ侵攻があり、直近では、エネルギー・食料価格の急激な高騰である。2021年アメリカ合衆国連邦議会議事堂襲撃事件、レバノンとスリランカのほぼ完全な経済破綻、アマゾンの熱帯雨林の大規模破壊など、他にも多くの出来事を加えることができるだろう。

韓国は危機安定性を真剣に考える時だ

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年11月30日

危機安定性は抑止力に劣らず重要であり、戦争に勝つことと同じほど、戦争を防ぐことに注力すべきである。 韓国および米国と北朝鮮の対立関係は日々硬直化しており、いずれの側も出口を見つけられない状況となっている。

戦略的ジレンマ:効果的な対中国戦略を探るドイツ

ハルバート・ウルフ  |  2022年11月24日

現在、ドイツでは中国との関係が再考されている。これは、EUでも起こった、より長い経緯の結果である。ロシアのガス、石炭および石油の供給にドイツが依存していたことのショックが、中国との関係を特にセンシティブなものにしている。ドイツは、ロシアの原材料と化石燃料への依存度が高いだけでなく、中国とも、経済的により緊密な相互関係がある。というのも、中国は、ドイツの輸出相手国第2位であり、輸入相手国としては第1位なのだ。この議論は、経済的依存度およびアジア内外における中国の強気な外交・安全保障政策の両方が理由で加速している。

太平洋の一国がメタバースに自らをアップロードする

ニック・ケリー/マーカス・フォス  |  2022年11月21日

それは絶望的な計画だが、隠されたメッセージがある。太平洋の国ツバルは海面上昇という存亡の危機に対応するため、メタバースに自国バージョンを作成することを計画している。ツバルのサイモン・コフェ法務・通信・外務大臣は、COP27で各国首脳に向けて戦慄的なデジタル演説をして、この発表を行った。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。