グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

ウクライナ交渉への長い道のりに高いハードル

ギュンター・ベヒラー  |  2023年02月28日

「いますぐ交渉を!」。ロシアのウクライナ侵攻以来、この戦争を速やかに終わらせる方法について白熱した議論がなされてきた。国際社会の仲介による交渉を訴える者もいれば、ウクライナの軍事的勝利を可能にすることを訴える者もいる。ロシアとウクライナの間の持続的平和は考えられるのか? 考えられる。ただし、欧州的グローバル枠組みの中においてのみである!

居住可能性とリレーショナル・セキュリティ

ジョン・キャンベル/キャロル・ファルボトコ  |  2023年02月20日

安全保障という概念は、気候変動の影響と適応に関する研究および政策策定において重要な役割を果たしてきた。食料や水の安全保障、生計の安全保障、環境安全保障、健康の安全保障、人間の安全保障、気候変動の影響とそれに対する適応策に起因する紛争を背景とする国家的・国際的安全保障など、安全保障のさまざまな側面が求められている。これら全てが本質的に現象としての(具体的、物理的)性質を持っており、気候変動は、生活とウェルビーイングの物質的な必需品を極めて深刻に脅かす恐れがある。

気候変動はオーストラリアの国家安全保障にとって脅威か?

トビアス・イデ  |  2023年02月16日

気候変動活動家から、新しいティール政治運動、そして著名な防衛専門家まで、より多くのオーストラリア人たちが、気候変動がもたらす安全保障上の影響について懸念を表明するようになっている。同国が長い海岸線を有し、山火事やサイクロン、干ばつ、そして最近ではオーストラリア史上最悪の洪水が頻繁に発生していることを考えると、このことは驚くには当たらないかもしれない。

環礁の未来―居住可能性を定義する

キャロル・ファルボトコ/ジョン・キャンベル  |  2023年02月10日

海面上昇に伴い環礁が居住に適さなくなるリスクはよく知られた問題であるが、環礁に住む人々の集団移住は避けられないと単純化され、存亡の危機として語られることが多い。

朝鮮半島の平和のためにバランスの取れたリーダーシップが必要

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2023年02月08日

強固な国家安全保障と戦争をする意思があっても、平和を保証するには十分でない。2023年に入り、韓国は国家安全保障と経済の分野で一度に二つの危機の到来に直面している。

言葉の消滅: 海面上昇がもたらす「壊滅的な」言語喪失への懸念

カレン・マクベイ  |  2023年02月07日

気候危機は、現存する全ての言語の半数にとって「棺に打たれる最後の釘」になる恐れがある。なぜなら沿岸コミュニティーが移住を余儀なくされているからだと、言語学者らは言う。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。