気候変動と紛争に関するグローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

気候変動と紛争に関するグローバル・アウトルック

COP27におけるインド: 中心的役割を果たしたか?

ロバート・ミゾ  |  2022年12月07日

気候変動に関する国際交渉においてインドが重要なアクターであることは、近頃シャルム・エル・シェイクで開催された条約締約国会議(COP)27で如実に示された。2015年のパリ協定で約束したことを達成するため、締約国間の新たな連帯を追求するサミットで、インドは国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国としてきっぱりと主張しつつも、協調的な姿勢を見せた。

太平洋の一国がメタバースに自らをアップロードする

ニック・ケリー/マーカス・フォス  |  2022年11月21日

それは絶望的な計画だが、隠されたメッセージがある。太平洋の国ツバルは海面上昇という存亡の危機に対応するため、メタバースに自国バージョンを作成することを計画している。ツバルのサイモン・コフェ法務・通信・外務大臣は、COP27で各国首脳に向けて戦慄的なデジタル演説をして、この発表を行った。

知識のバスケットを満たす: 太平洋地域の気候変動、人の移動、平和構築をめぐるワークショップ

フォルカー・ベーゲ  |  2022年11月14日

そのわずか数日前にニュージーランドのウェリントンで開催されたワークショップでは、この地獄行きの旅が太平洋地域のコミュニティーや国家の安全保障と平和にどのような影響をもたらすかを検討した。参加者は同時に、太平洋地域内外の政策立案者、実務専門家、研究者からなる多様なグループの専門知識と経験を駆使し、地獄への高速道路から降りる道筋を模索した。

気候変動により住む場所を奪われた人々は難民ではない

ティール・クロッセン  |  2022年10月13日

はっきりさせておこう。気候崩壊によって住むところを奪われた人々は、国際法に基づく気候難民ではない。彼らは自国の政府による迫害のために国を追われているのではない。移民でもない。仕事や教育を求めて、あるいは家族の近くにいるために、去っていくのでもない。そうではなく、大気汚染を続けるという他国の選択によって、何百万人もの人々が、彼らを保護する法的枠組みがない中、故郷を失う可能性が高いのだ。

オーストラリア政府は気候変動への対処を怠りトレス海峡諸島民の権利を侵害、と国連が認定

クリステン・ライオンズ  |  2022年10月04日

国連の委員会は9月23日(金)、オーストラリアの前連立政権が気候危機に十分に対処しなかったことによりトレス海峡諸島民の権利を侵害したと認定する画期的な決定を下した。

太平洋の首脳らが気候危機への再注目を促す

フォルカー・ベーゲ  |  2022年09月29日

2022年9月の第77回国連総会において、太平洋の小さな島国(あるいは「大洋」の国々)の首脳らは、地球規模の気候危機への再注目を促した。これらの国々は気候危機の原因に殆ど関与していないにもかかわらず、その影響を最も受けるという事実に基づく倫理的権威を用いて、太平洋のリーダーたちは、もっと思い切った気候アクションを要求し、新しい提案や取り組みを提唱した。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。