
「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
協調的安全保障、軍備管理と軍縮に関するグローバル・アウトルック
ヒマラヤ山中の軍の小競り合い
ハルバート・ウルフ | 2023年03月21日
太平洋における中国と米国の競争、欧州におけるウクライナ戦争という二つの大きな地政学的危機の影で、ヒマラヤ山中ではインドと中国の対決が起きている。世界で最も人口の多い二つの国は60年以上にわたり、ヒマラヤ地方の両国国境について合意に達することができずにいる。危険な軍事的な小競り合いが頻発しており、紛争がスパイラルに陥って制御不能になるリスクがある。
ウクライナ交渉への長い道のりに高いハードル
ギュンター・ベヒラー | 2023年02月28日
「いますぐ交渉を!」。ロシアのウクライナ侵攻以来、この戦争を速やかに終わらせる方法について白熱した議論がなされてきた。国際社会の仲介による交渉を訴える者もいれば、ウクライナの軍事的勝利を可能にすることを訴える者もいる。ロシアとウクライナの間の持続的平和は考えられるのか? 考えられる。ただし、欧州的グローバル枠組みの中においてのみである!
のけ者国家を承認するべきか?
ハルバート・ウルフ | 2022年11月10日
今こそ現実に向き合い、北朝鮮が運用可能な核兵器を保有していることを認識するべき時だ。国際社会(あるいは少なくとも韓国とその密接な同盟国である米国)は、北朝鮮を核保有国と認めるべきだろうか?
ウクライナ戦争の行方は?
ハルバート・ウルフ | 2022年10月14日
ウクライナの未来に関する難しい問いに答えを見いだすには、現在西欧で広まっている二つの極端な、そして対極的な立場を分析することに意味があるだろう。一方では、ウクライナにいっそうの支援、特に軍事的支援を無制限に提供すべきだと考える人々がいる。もう一方では、ウクライナへのさらなる武器供給は犠牲者を増やし、戦争を長引かせるだけだと主張する人々がいる。あるいは、西側の制裁で損害を被るのはどこよりも西欧であり、ロシアではない、したがってロシアへの制裁はやめるべきだという主張である。
北朝鮮の核兵器使用の可能性:「自動的かつ直ちに」
ハルバート・ウルフ | 2022年09月17日
ウクライナの戦争とメディアの並々ならぬ注目の陰で、北朝鮮の核の野望をめぐる争いは、現在のところ後景へと退いている。平壌の政権は核開発計画を長年継続して進めてきた。今年前半の多くのミサイル実験の後、国営ニュース機関である朝鮮中央通信(KCNA)の英文記事によれば、最高人民会議は9月8日、「朝鮮民主主主義人民共和国核戦力政策」に関する法律を可決したという。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。