協調的安全保障、軍備管理と軍縮に関するグローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

協調的安全保障、軍備管理と軍縮に関するグローバル・アウトルック

戦争省: ジョージ・オーウェルは自分の正しさが裏付けられたと感じるだろう

ハルバート・ウルフ  |  2025年09月10日

ドナルド・トランプ大統領が米国の国防総省を「戦争省」に改称する決定を下したのは、ノーベル平和賞を受賞しようとする彼自身のキャンペーンのさなかであった。ホワイトハウスが呼ぶところの「平和の大統領」は、またしても多くの大統領令の一つに署名した。この最新の大統領令により、彼は正式に戦争省という呼称を定めたのである。

AIドローンが変える核兵器の未来

エスラ・セリム  |  2025年08月25日

エスラ・セリムは、人工知能(AI)を搭載したドローン技術の急速な進展が、核兵器の運搬能力、精密な標的設定、そして抑止力を大幅に強化していると論じている。しかし、自律型ドローンシステムの拡散は、戦略的かつ倫理的に深刻な課題も生み出している。世界の安定を確保するためには、強固な国際的枠組みの構築が不可欠である。

トランプのBRICS攻撃は、その結束を強める可能性がある

ラメッシュ・タクール  |  2025年08月21日

ドナルド・トランプ大統領は、米国の地政学的な影響力と市場支配力を利用して、「関税の新たな世界秩序」の到来をもたらした。2025年7月30日、彼はブラジルの輸出の半分以上に50%の関税を課した。気分の変わりやすい大統領の憤怒が、ブラジルのジャイル・ボルソナーロ前大統領に対する「魔女狩り」に向けられたのである。

核兵器への盲信を支える神話

ラメッシュ・タクール  |  2025年08月09日

戦争で原子爆弾が初めて使用されたのは、1945年8月6日の広島である。最後に使用されたのは、その3日後の長崎だった。1980年代には米国とソ連の保有弾頭数がピークに達し、数万発に上ったにもかかわらず、1945年以降80年間、核兵器が再び使われなかった最も単純な理由は、それらが本質的に「使えない」兵器だからである。

トランプのBRICSに対する関税攻撃

ハルバート・ウルフ  |  2025年07月26日

2025年7月6日、7日にブラジルで第17回BRICS首脳会議が開催されるのに合わせて、米国のドナルド・トランプ大統領が同盟を名指しして、「BRICSの反米政策に同調する国には10%の追加関税を課す」と脅した。この反米主義とされるものが具体的に何を意味するのか、トランプは説明しなかった。現在の加盟国10カ国とパートナー国のほとんどは、トランプの威嚇に対して反発と冷静さをもって反応したが、困惑もしていた。

和平合意に必要な四つの要素――コンゴ民主とルワンダの合意は満たしているか?

フィリップ・カストナー  |  2025年07月19日

2025年6月、コンゴ民主共和国(DRC)とルワンダの両政府は、DRC東部で何十年にもわたり続いてきた紛争を終結させるための和平合意を締結した。国連はこの合意を、同地域における「緊張緩和、平和と安定に向けた重要な一歩」として歓迎した。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。