「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
協調的安全保障、軍備管理と軍縮に関するグローバル・アウトルック
ロシア・米国が並走する核紛争への道
ラメッシュ・タクール | 2022年04月07日
2020年の大統領選で、ドナルド・トランプ大統領の支持者は明白な性格的欠陥よりも国内政策や外交政策の成果に目を向けたが、反対派はいかなる政策的成果を評価するにも彼の性格に目をつぶることはできなかった。ジョー・バイデンが大統領になったのは、米国人のバイデン票と同じぐらい反トランプ票があったからである。しかし、世論調査にはっきりと表れた「購入者の後悔」を見ると、どうやら有権者は、自分が何を望んでいるかを慎重に考えるべきだったようだ。
イラン航空IR655便とマレーシア航空MH17便、2つの航空会社の物語とダブルスタンダード
ラメッシュ・タクール | 2022年03月23日
1988年7月3日、イラン領海内に停泊中の米海軍艦「ヴィンセンス」が2発の地対空ミサイルを発射して、イランの旅客機を撃墜、290人の乗客乗員全員が死亡した。ヴィンセンスの艦長と乗組員は、後に勲章を授与された。ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領は、「アメリカを代表して謝罪することはない。事実がどうであれ構わない」と言い張った。
核兵器禁止条約: 今後の見通し
ケネディ・グラハム | 2022年03月19日
核兵器禁止条約(TPNW)第1回締約国会議(CMP-1)は、2022年中頃に予定されている。賛否両論のこの条約を今後何が待ち受けているのだろうか?
プーチンのウクライナでの行動は卑劣だが、ロシアはNATOにひどく挑発された
ラメッシュ・タクール | 2022年03月15日
アルタ・モエイニは、バラク・オバマ大統領が「ワシントンプレイブック」と呼んだ外交政策の台本(その多くは軍事力の行使につながっている)に触れながら、西側の支配的エリートが主流メディアと結託して、善悪二元論の枠で誰もが感じる同情という自然な反応を特定の報復を求める道徳的な怒りへと仕向けている、と記している。その結果、アメリカの戦争マシーンが有効化され、高貴にさえなっている。しかし、これが機能するには、まずもってこの危機を引き起こした自らの責任というものを強力に否定してかからねばならない。
ウクライナ戦争におけるエスカレーションとデ・エスカレーション
トビアス・デビール、ハルバート・ウルフ | 2022年03月15日
遅くとも2021年からウクライナ紛争をエスカレートさせてきた犯人が明白に存在する。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領である。彼は、その好戦的で冷笑的な戦争レトリックによって平和的解決の可能性を潰した。ウクライナは非武装化を要求されているだけでなく、存在する権利さえ否定されている。これに加え、「非ナチ化」という突拍子もない言い分や、西側が侵略を邪魔すれば核エスカレーションも辞さないという脅しもある。プーチンは、いわゆる「抑止力」を警戒態勢に置き、西側の制裁を宣戦布告とみなし、作戦面でもレトリック面でもエスカレートしていった。
ウクライナと核リスクに関する三つのコメント
ラメッシュ・タクール | 2022年03月14日
核不拡散・核軍縮アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)は、10年前の設立以来、三つの包括的目標を掲げて核の脅威に取り組んできた。核拡散に断固として反対する必要性、核軍縮に向けた信頼できる措置を取ること、核リスクを高める地政学的緊張を緩和する重要性である。ウクライナでは、この三つ全てが作用している。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。