グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

自律型兵器システムの規制

スチュアート・ケイシー・マスレン  |  2021年07月05日

近年、アルゴリズム技術の進歩とともに、完全自律型兵器システムの国際的な法規制が、国際安全保障上および人道上の課題として浮上している。しかし、そのような兵器システムの全面禁止を求めることは、時期尚早でもあり、失敗が運命づけられてもいる。時期尚早である理由は、自律型兵器システムが、特に武力紛争下において民間人の命を守るものになるかどうか、私たちはまだ正確に知りえないからである。そして、失敗が運命づけられている理由は、軍事大国のほとんどが、表向きは時折否定して見せるものの、自律型兵器の配備を目指してすでに躍起になっているからである。

韓国外交に対する言説の3つの謎

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2021年04月26日

韓国は、米国との強固な同盟を守りつつ、中国との戦略的パートナーシップを維持しなければならない

中国の地政学的な影響力はイランにまで及び、アフガニスタンも取り込む可能性がある

ラメッシュ・タクール  |  2021年04月20日

2021年4月11日にナタンツの主要な核施設が攻撃(イスラエルによる攻撃の可能性が非常に高い)を受けた後、イランのハッサン・ローハニ大統領は、ウラン濃縮度を60%に引き上げると述べた。技術的な点から見ると、これによりイランは、本格的な兵器級のウラン濃縮度(90%)にもすぐ手が届く状態になる。

ミャンマーの民主主義の支援には条件がある

ラメッシュ・タクール  |  2021年04月15日

ミャンマーは、クーデターと長期にわたる軍政の歴史を持つ。今回の抗議運動の厚み、規模、持続性は、文民政権の復活が不可能ではないことを意味している。一方で、これまでの軍部の残虐性の遺産は、無期限の軍事政権もあり得ることを意味している。

コロナ禍を契機とする都市部から地方への逆移住:ツバルの事例

キャロル・ファルボトコ/タウキエイ・キタラ  |  2021年04月13日

コロナ禍の間、太平洋諸島では移住パターンに逆転が見られた。都市の有給雇用が減少するなか一部の地方への移住が増加し、多くの場合は国の政府がそれを奨励した。当初の地方移住の後に都市部に戻る移住者もいたものの、コロナ禍の間に生じたこの都市部から地方への移住は、たとえ一時的現象だとしても、太平洋諸島の人々の間では地方との文化的・血縁的な結びつきというものが、特に外的ショックにさらされた場合にレジリエンスを維持するのに、いかに助けとなるかを理解するうえで参考となる。

ミャンマー、「保護する責任」の履行を世界に訴える

ラメッシュ・タクール  |  2021年04月07日

私は、この記事を書くことを予想せず、意図せず、希望もしなかった。ミャンマーにおける現在の危機と増え続ける市民の死者数に関連づけて「保護する責任(R2P)」について書くようにとの要請を、私は丁重に断ってきた。ターニングポイントとなったのは、R2Pを掲げる横断幕、Tシャツ、傘を携え、この記事に掲載された写真のように徹夜のキャンドルデモを行う人々の姿である。それらの映像は私の良心を動かした。また、世界の良心を揺さぶるべきである。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。