グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

平和紛争研究が重要であり続ける理由 第2部

オリバー・リッチモンド  |  2021年10月04日

さて、現在われわれが経験していると思われる体制移行の後、平和紛争研究(PCS)には次に何が起こるだろうか?  第1部で挙げた肯定的な側面にもかかわらず、また、過去には新たな戦争が迫りつつある時期に荒野の唯一の声であったにもかかわらず、PCSは、昨今起こりつつあるこの局面の多くを予見することができなかった(いくつかの優れた例外はあるが)。

平和紛争研究が重要であり続ける理由 第1部

オリバー・リッチモンド  |  2021年10月03日

地政学的にも環境的にも、そして認識論的な意味においても世界の地殻変動が起きている。紛争指標と関連データは、全領域にわたって赤く点滅している。おそろしく自己中心的で欧州中心的なジャーナリスティックな分析では、暴力は恒久的に減少したとされているが、そうではない。

パキスタン: 未来に戻るのか?

サミナ・ヤスミーン  |  2021年10月01日

20年間にわたる米国とNATOによる占領の後、タリバンがカブールを制圧した。それは、パキスタンの支援を受けた政権が権力を握る9・11以前のアフガニスタンに戻ったかのように見えるかもしれない。しかし、20年経った今、根本的な違いがこの地域のすべての勢力に大きな困難をもたらしている。

タリバン復権で高まるインドの安全保障上の懸念

シャム・サラン  |  2021年09月29日

カブールにおけるタリバン政権の復活は、インドにとって痛手である。過去20年にわたってアフガニスタンで築いてきた政治、経済、安全保障面の大きな財産が、水泡に帰したのである。これには、インドがこの国に30億米ドル以上を投資して実施した数件の重要なインフラプロジェクト、国会議事堂建設、保健および教育促進事業などがある。アフガニスタン治安部隊の能力を構築するためにインドが果たした貢献も大きかった。

アフガン・パラドックス:カブール陥落後の 中国、インド、そしてユーラシアの未来

ジョージ・へイン  |  2021年09月27日

近頃カブールの外交関係者の間でささやかれている一つのジョークがある。カブールにおけるガニ政権からタリバン政権への権力移行は、今年のより早い時期にワシントンで行われた政権移行より円滑だったというものだ。それは(いささか)言い過ぎかもしれないが、タリバンがアフガニスタンの首都に入った迅速さに、事態を見守っていたほとんどの人が驚いたのは間違いないだろう。

AUKUSの原子力潜水艦協定 ―― 核不拡散の観点から

ジョン・カールソン  |  2021年09月26日

以下は、オーストラリアのために原子力潜水艦を建造・運用する提案について、核不拡散および安全保障措置の観点から概要をまとめたものである。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。