「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
新興技術の負の側面を抑制するための国連の役割
デニス・ガルシア | 2021年10月24日
2021年5月、国連安全保障理事会は、人工知能(AI)などの新興技術が平和と安全保障において果たす役割を議論する初めての会合を開いた。翌月、安全保障理事会は、サイバースペースにおける平和維持の方法を議論し、新興技術が国連における最高レベルの外交の場で初めて取り上げられた。
AUKUSが投げかける4つの影
文正仁(ムン・ジョンイン) | 2021年10月19日
2021年9月15日、米国、英国、オーストラリアの首脳がワシントンで会談し、AUKUSと呼ばれる新たな安全保障協定の締結に合意した。3カ国はすでに長期にわたる同盟国であることを考えると、彼らが軍事技術を共有するさらなるパートナーシップを形成するのは驚くべきことである。それは、同盟の発展を表している。
カブール制圧に向けたタリバンのソーシャルメディア作戦
イリア・プヨサ | 2021年10月17日
カブールに向かって進攻している時、タリバンは、WhatsAppのボイスノート、TwitterやFacebookへの投稿を通して、自分たちの軍事的勝利を予想していた。タリバン反乱軍は、アフガン政府軍の兵士たちが大して戦いもせず投降しているというストーリーを、複数のメディアを駆使して作り上げた。カブール制圧の前日、タリバンが勝利に向かって前進する光景を携帯電話やドローンで撮影した映像が世界に配信された。タリバンによる電光石火のアフガニスタン制圧には、いくつかの政治的要因と軍事的要因があった。その中でも、ソーシャルメディアを使った戦争プロパガンダコンテンツが、アフガニスタン政権崩壊に役割を果たした。タリバンのソーシャルメディアを駆使したコミュニケーション戦略は、米国の「大国」イメージに楯突くタリバンの優位さという新たな物語を助長する手段となった。
北東アジアに信頼関係を築くには?
ヒュー・マイアル | 2021年10月15日
北東アジアの人々は、もし状況が違って「さえいたら」、平和と安全保障の分野で何を望むだろうか?カーネギーの調査によれば、韓国の人々の過半数が、南北統一後も統一国家は米国との同盟関係を継続するべきだと信じている。また、過半数が統一国家は中国とも同盟を結ぶべきだと感じている。大多数が、南北統一は平和的妥協によってもたらされ得ると期待している。
太平洋の市民社会が気候関連の移住に関する地域協議会行う
サビラ・コエーリョ/クリストファー・イー | 2021年10月12日
2021年6月、太平洋気候変動移住と人間の安全保障(Pacific Climate Change Migration and Human Security: PCCMHS)プログラムは、気候関連の移住に関する地域市民社会協議会を開催した。このオンライン協議会は、国際移住機関(IOM)が計画したもので、太平洋全域の市民社会の代表者が気候変動に関連した移住、立ち退き、計画移転が人間の安全保障にもたらす影響を検討し、コミュニティーに及ぼす影響について経験を共有し、地域に根差した解決策の策定に向けて話し合う機会を提供した。
EUは脇に追いやられたのか?
ハルバート・ウルフ | 2021年10月10日
バイデン政権が数週間の間に一方的に下した外交・安全保障政策上の二つの決定に、欧州諸国は途方に暮れている。ドナルド・トランプが米大統領の座から退いて以来、欧米関係のトーンのみが変化し、「アメリカ・ファースト」政策の本質は変わっていないのだろうか?
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。