「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。
アフガン・パラドックス:カブール陥落後の 中国、インド、そしてユーラシアの未来
ジョージ・へイン | 2021年09月27日
近頃カブールの外交関係者の間でささやかれている一つのジョークがある。カブールにおけるガニ政権からタリバン政権への権力移行は、今年のより早い時期にワシントンで行われた政権移行より円滑だったというものだ。それは(いささか)言い過ぎかもしれないが、タリバンがアフガニスタンの首都に入った迅速さに、事態を見守っていたほとんどの人が驚いたのは間違いないだろう。
AUKUSの原子力潜水艦協定 ―― 核不拡散の観点から
ジョン・カールソン | 2021年09月26日
以下は、オーストラリアのために原子力潜水艦を建造・運用する提案について、核不拡散および安全保障措置の観点から概要をまとめたものである。
ポスト・メルケル時代のドイツ政治
ハルバート・ウルフ | 2021年09月24日
2021年9月26日、ドイツの連邦議会は4年の任期満了をもって総選挙を迎える。最大の変化は、新内閣が16年近く首相を務めたメルケル首相抜きで組織されることが確実なことである。多くの人が「メルケル主義を超えた」政治について憶測を巡らせるのも、不思議はない。現在の世論調査を見ると、非常にさまざまな連立の可能性があるためなおさらである。これらの世論調査によると、現在の連立「グロコ」(大連立)が続投する可能性もあるが、両党(キリスト教民主同盟と社会民主党)内のムードはお互いにうんざりといったところで、有権者の大多数は経済停滞に疲弊している。キャッチワードは、「kein weiter so(いいかげんにしてくれ)」である。
原子力潜水艦: 核拡散への影響を低減するために
ジョン・ティレマン | 2021年09月22日
オーストラリアは原子力潜水艦を導入する決定を発表し、その際当然ながら、このプロジェクトが核兵器の獲得ではなく動力源の獲得を目的としていること、オーストラリアは核物質や核技術の不拡散、安全、セキュリティを確保する最高水準の保障措置を継続することを強調した。
タリバンのいる未来に逆戻り?
アミン・サイカル | 2021年09月20日
The defeat of the United States and its allies and return to power of the Taliban in Afghanistan have changed the regional landscape. The configuration of forces has shifted in favour of Pakistan as the Taliban’s patron and China as a strategic partner of Pakistan, confronting India, the Islamic Republic of Iran, the Central Asian Republics and the main power behind them, Russia, with certain policy quandaries. Yet not all is lost, as both Islamabad and Beijing may find that Afghanistan is a very difficult country to govern and sustain.
オーストラリアの原子力潜水艦は核拡散のパンドラの箱を開ける恐れがある
タリク・ラウフ | 2021年09月19日
数年前、原子力潜水艦(SSN)隊を手に入れるという“血迷った”ともいえる渇望に苦しんだ後、オーストラリアはついに、中国に対抗して新たに結成されたAUKUS(オーストラリア、英国、米国)というパッとしない名称を冠された同盟の下、バイデン政権から8隻のSSNを約束された。
「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。