グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

平和研究の意味とは?

ロジャー・マクギンティ  |  2021年09月13日

研究テーマとしての平和、そして実践としての平和に、かつてないほどの注目と資金が集まっている。大学では、平和や関連テーマに関する授業が大盛況である。平和に関する学術論文や政策文書が次々に発表され、いまや非常に大勢の国際的な「平和専門家」が国際機関や国際NGOで働いている。要するに、平和ビジネスに従事するには良い時代ということである。

今こそ世界の軍事費削減の好機

ミヒャエル・ブルゾスカ  |  2021年09月11日

今こそ、世界の軍事費を削減するイニシアチブの好機である。世界の軍事費は記録的水準にある。もっかのコロナ禍は、将来の危機を予防し、これに対処するためには財源が必要であることをはっきりと思い起こさせる。

アフガニスタンの状況に平和の兆し見られず

アミン・サイカル  |  2021年09月08日

パキスタンが糸を引くタリバンの復活により、近い将来にアフガニスタンが安定した堅牢な平和国家へと生まれ変わる見込みは失われた。新たに組閣されたタリバンの暫定内閣は、アフガニスタン国民の大部分と国際社会にとって、政治的にも倫理的にも受け入れ可能なものとして正当化できる余地はない。いまやアフガニスタンは、世界の除け者国家になる可能性がある。

アフガニスタン: 過ちと混乱から学べるか?

ハルバート・ウルフ  |  2021年08月22日

20年に及ぶアフガニスタン政策の災禍が終わった。西側諸国は、自らの政策が砕け散るのを目の当たりにし、タリバンが復権した今、アフガニスタンの未来は先が見えない。状況はあまりにも複雑で、多くの未解決の問題に確かな答えを見いだすことは難しい。

パンデミックにおけるデジタル暴力の防止

リサ・シャーク  |  2021年08月13日

パンデミック以前も、ソーシャルメディアは暴力を計画する手段となり、偽情報や外国人嫌悪的な陰謀論を増幅し、公の場での議論を分極化させることによって、人間関係に「テックトニックシフト」(テクノロジーによる構造変化)をもたらしていた。

核兵器禁止から核軍縮への道

ラメッシュ・タクール  |  2021年08月09日

広島と長崎への原爆投下から76年経ち、核兵器を非合法化する国際条約が初めて発効した。先月私は、核兵器禁止条約(正式には、核兵器の禁止に関する条約)に関する論文集を完成させ、出版社に送ったところである。執筆は、学術界、シンクタンク、各国外務省、市民社会から、多くのよく知られた方々に担当していただいた。32の章には、多くのテーマが繰り返し登場する。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。