グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

バイデン政権がとり得る対北朝鮮三つの政策

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2020年12月12日

ジョー・バイデンの次期米国大統領就任がほぼ確実となった今、世界の目は再び米国に向けられている。人々はバイデンの施政方針について憶測を巡らせている。彼はドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」主義から脱却し同盟国を重視するとともに、国際社会における多国間主義を回復させると約束しているからだ。しかし、韓国の人々にとって最大の関心事である北朝鮮の核問題について、バイデン政権がどのような政策を採用するかは、ほとんど未知数である。

韓国は米国との同盟について国益を慎重に検討すべき

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2020年12月09日

我が国の利益にかなうよう同盟関係を再評価するのは外交担当者の仕事であり、彼らはそのせいで批判されるべきではない。 韓国の保守派は、文政権の韓米関係に対する姿勢を激しく批判してきた。直近の論争は、康京和(カン・ギョンファ)外相と李秀赫(イ・スヒョク)駐米韓国大使の近頃の発言に関するものである。

核兵器禁止条約と「これまで通り」の間で:「核の傘」の下にある国々の役割

スベレ・ルードガルド  |  2020年12月07日

核兵器禁止条約(TPNWまたは禁止条約)は、核の傘の下にある国々の矛盾した取り組みを明らかにする。それらの国々の多くは核軍縮を強く支持しながら、一方で核兵器の重要性を強調し、核近代化を継続している同盟国の政策に賛成している。

ラテンアメリカと核廃絶の追求:トラテロルコ条約から核兵器禁止条約へ

シーザー・ジャラミロ  |  2020年11月30日

2014年2月14日、核兵器の人道的影響に関する第2回国際会議が終了し、フアン・マヌエル・ゴメス・ロブレド議長(当時のメキシコ外務次官)は、閉会の辞において、会場にみなぎる空気を力強い言葉で表現した。核兵器廃絶に向けた国際努力において、この会議は「後戻りできない分岐点」となったと。彼の楽観的な結びの言葉は、拍手喝采を浴びた。

非武装国を武装解除:核兵器禁止条約の現実

マンプリート・セティ  |  2020年11月28日

ホンジュラスは2020年10月24日、核兵器禁止条約(TPNW)の50番目の批准国となった。その日から90日後に、通称「禁止条約」は発効することになっている。軍備管理条約が途中で頓挫することが多い昨今、これは心強い動きである。しかし、 画期的出来事であるにもかかわらず、TPNWが核兵器なき世界(NWFW)の到来を告げるという目標を達成する見込みは薄い。核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、移譲、保有、貯蔵、使用、使用の威嚇を果敢にも非合法化しているが、現時点では核兵器を持っていない国に対して核兵器を禁止しているのである!

板挟みになって:NATOの非核兵器保有国、NPT、そしてTPNW

ポール・マイヤー  |  2020年11月26日

多くのNATO加盟国にとって、この数年間は、核政策の面で困難な時期だった。ジレンマの元は、核兵器禁止条約(TPNW)の登場である。この条約は、いわばホブソンの選択をNATO加盟国に突き付けた。2017年7月に採択された同条約は、(発効要件である50カ国の批准を(2020年)10月24日に達成したことを受けて)2021年1月22日に発効する。世界の核ガバナンスにおいて初めて、TPNWは、核兵器の使用または使用の威嚇に加えて、その保有を非合法化した。また、条約締約国の領内に核兵器や関連インフラを受け入れること、あるいは条約に違反するいかなる「支援」を提供することも、具体的に禁止している。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。