グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

アジアの核の鎖における信頼醸成措置とリスク低減措置

ラメッシュ・タクール  |  2020年10月16日

冷戦時代の兵器統制構造は、もはやその目的を満たすものではない。現代の地政学情勢において、核の二国間対立は核の鎖となった。現行の核兵器管理体制は、軍縮とは二国間の妥協的取引によって成し遂げられるものであり、その両国の存続こそが安定した戦略的二大国体制に依存しているという概念に基づいて構築されている。しかし、ますます多極化する世界秩序において、そのような体制では他の核兵器保有国の選択を制御することも抑制することもできない。

気候変動と主権

タウキエイ・キタラ  |  2020年10月16日

2020年10月19日、太平洋諸島出身の鋭い知性を持つ有識者たちがフォーラムに登壇し、母国での生活や気候変動の影響と戦う日々について、幅広い豊かな経験を人々に伝える。スピーカーのうち2名は元国家首脳で、元ツバル首相のエネレ・ソポアガ(Enele Sopoaga)閣下と元キリバス大統領のアノテ・トン(Anote Tong)閣下である。太平洋諸島フォーラム事務局気候変動アドバイザーのエクスレー・タロイブリ(Exsley Taloiburi)氏、気候変動活動家であり詩人であるマーシャル諸島出身のキャシー・ジェトニル=キジナー(Kathy Jetnil-Kijiner)氏も討論に参加する。10月19日のオンラインフォーラムは、気候変動と主権を議題とするオンラインフォーラム・シリーズの第1回となる。狙いは、島ならではの知識と経験に脚光を当てることである。それは、太平洋諸島における主権のあり方がなぜ独特であるか、また、長年受け継がれてきたヴェストファーレン的主権概念(我々は、これを脱植民地化する必要がある概念とみなし始めている)となぜ異なるのかを理解するために不可欠である。

核兵器禁止条約の軍縮プロセスに核保有国を取り込むために

トマス・E・シア博士  |  2020年10月16日

近いうち、おそらく年末までに、核兵器禁止条約(TPNW)の署名国84カ国(現時点)のうち50カ国が批准手続きを完了し、TPNWが発効するだろう。現在核兵器を保有する9カ国はいずれも条約への前向きな関心を示しておらず、核軍縮のプロセスに着手しようとする国際社会のあらゆる努力を、責任を問われることなく拒絶し続けている。TPNWが発効すれば、この条約は、9カ国の核保有国(中国、フランス、インド、イスラエル、北朝鮮、パキスタン、ロシア、英国、米国)を含む国際社会全体に対して、全面的な核兵器廃絶に向けた前進を奨励し、講じられたすべての措置を検証し、不正行為を検出し、平和と安定の進展を称賛するための法的枠組みを初めて既成事実として提示するものとなる。

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「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。