グローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

核兵器禁止:長い夜を抜けて

ジョセフ・カミレリ  |  2020年11月17日

数週間前にホンジュラスが50番目の批准国となり(2020年10月24日批准)、核兵器禁止条約がまもなく発効する運びとなったことは、重大な出来事である。条約は、1個の核弾頭も削減しないが、核兵器が倫理的に許されず、国際法に反するという原則を強化するものである。

世界の力を結集し核兵器禁止条約を支援

ラメッシュ・タクール  |  2020年11月08日

10月24日、広島と長崎に原爆が投下されてから75年を経て、ホンジュラスが核兵器禁止条約(TPNW)の50番目の批准国となった。条約は(2021年)1月22日に発効する。

遠回しにカナダが核兵器禁止条約への反対を撤回

ダグラス・ロウチ  |  2020年11月05日

遠回しな形で、カナダ政府は核兵器禁止条約への反対を撤回した。現在は、条約の根拠を「認識する」としている。同条約は、2021年1月22日に発効する。 50カ国が批准した新たな条約を、トランプ政権は公然と非難し、また、NATOも拒絶した。カナダは、11月3日に予想通りジョー・バイデンが大統領に選出された場合、米国はより協調的な多国間の共同作業に復帰し、NATOは核兵器保有に反対する世界的規範の高まりを徐々に認識すると踏んでいる。

コロナ禍からのグリーン・リカバリーと日本における炭素中立社会の実現に向けた課題

松下和夫  |  2020年10月31日

コロナ禍は、世界の情勢を一変させた。副次的効果の一つは、世界的に経済活動と人の移動が制約された結果、大気汚染と温室効果ガス排出量が減少したことである。これを受け、復興の過程でより持続可能かつ健全な社会を創出しようという声が高まっている。いわゆる、「グリーン・リカバリー」(緑の復興)である。 現在、各国政府は、コロナ危機からの復興を支えるため、所得補償や「休業補償」などの緊急対応策の実施と並行して、中長期的な経済対策を実施している。これらの対策の規模は過去最大級であり、その内容は、今後の各国の社会構造に大きな影響を及ぼすことから、きわめて重要である。

米中間の力の移行、冷戦か、実戦か?

ラメッシュ・タクール  |  2020年10月21日

現在の米中対立を第二次冷戦と呼ぶことは、どれほど的確だろうか?世界が実戦に巻き込まれる可能性はあり得るのか?それは、どちらも勝者たりえない、全員が敗北者となる戦争である。 2018年10月にハドソン研究所で行ったアジェンダをリセットする演説で、マイク・ペンス米副大統領は、中国による多くの略奪的行為や攻撃的行動を数え上げた。米国を西太平洋から追い出し、同盟国を助けに来させないようにする決意で、人工島に軍事基地の列島を建設し、対艦・対空ミサイルを配備することにより、「北京は、陸海空および宇宙における米国の軍事的優位性を侵食する能力を、重点的に構築してきた」とペンスは述べた。しかし、米国は「ひるむことなく」中国の不正行為に打ち勝つと結論付けた。

次期米国大統領が北朝鮮に対して取りうる実際的アプローチ

ジョセフ・ユン/フランク・オウム  |  2020年10月16日

3年にわたり北朝鮮に対して一貫性のないアプローチを続けた揚げ句、トランプ政権は、核の脅威の低減や朝鮮半島における平和と安全保障の強化をほとんど進展させなかった。現在、北朝鮮は相変わらずウランを濃縮し、ミサイル攻撃力を高め、2018年に講じられた南北朝鮮融和策を覆している。次期米国大統領は、このような憂慮すべき状況に対処しなければならない。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。