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最新の政策提言とレポート
Social Media, Technology and Peacebuilding
認知・情動マッピングとデジタル平和構築
政策提言 No.111 - 2021年06月25日
イデオロギーは、異なるナラティブや世界観を支えることによって、紛争の発生、エスカレーション、解決に根本的な役割を果たす。本政策提言では、テクノロジー支援型認知・情動マッピング(Cognitive Affective Mapping/CAM)を可能にする新しいソフトウェアツール「Valence」を用いたイデオロギー可視化技術を紹介する。そのうえで、最近オンラインで行われた紛争解決演習から得られた教訓を示す。演習では、2020年に開催された一連のファシリテーター付きZoomセッションにおいて、カナダで継続中の水をめぐる紛争について複数のステークホルダーがこのツールを使用して取り組んだ。
Cooperative Security, Arms Control and Disarmament
核兵器禁止条約と日本
政策提言 No.110 - 2021年06月18日
2020年10月24日、ホンジュラスの批准により批准数50という発効要件が満たされ、その90日後の2021年1月22日に「核兵器禁止条約」(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons(TPNW)。以下「禁止条約」と呼ぶ。)が発効する運びとなった。しかし、「禁止条約」に参加しない国に条約の禁止規定は及ばず、核兵器国およびその拡大抑止に依存する核の傘下国は「禁止条約」に反対している。とは言え「禁止条約」が発効すれば、核兵器国およびその同盟国も、これを無視できまい。「禁止条約」が国連総会の下の条約交渉会議で122カ国の賛成により採択され、かつ、発効するということは、国際社会に核兵器の禁止が急務だとの認識が広がっている証しだからだ。
協働、紛争、移動:ソマリランドにおける気候変動への現地の対応
政策提言 No.108 - 2021年05月14日
ソマリアで実施したわれわれのベースライン調査は、気候変動への適応や気候と安全保障の結びつきに焦点を当てた調査を補足するものである。この調査には、三つの役割がある。第1に、ソマリランドの人々が気候変動をどのように経験しているか、その影響にどのように挑み、対処しているかについてインタビュー調査を行い、そこから得た知見を共有する。第2に、気候変動、紛争、協働、移動が交わる領域で問題となっている複雑性への注意を喚起し、限られた安全保障課題の枠を超えて考える基礎として、詳細な研究課題に取り組むことを奨励する。そして第3に、当初の調査結果に基づく一連の提案を示すことである。
コロナ禍を契機とする都市部から地方への逆移住:ツバルの事例
政策提言 No.106 - 2021年04月14日
コロナ禍の間、太平洋諸島では移住パターンに逆転が見られた。都市の有給雇用が減少するなか一部の地方への移住が増加し、多くの場合は国の政府がそれを奨励した。当初の地方移住の後に都市部に戻る移住者もいたものの、コロナ禍の間に生じたこの都市部から地方への移住は、たとえ一時的現象だとしても、太平洋諸島の人々の間では地方との文化的・血縁的な結びつきというものが、特に外的ショックにさらされた場合にレジリエンスを維持するのに、いかに助けとなるかを理解するうえで参考となる。
Social Media, Technology and Peacebuilding
2021年におけるデジタル・テクノロジーとアクティビズムへの案内
政策提言 No.107 - 2021年04月14日
この政策提言では、人権、民主主義および住み続けられる環境といった公共益の追求のために、活動家たちがどのようにテクノロジーを活用しているかを概観する。まず、携帯電話テクノロジーがどのようにそうした運動を支え、強化してきたかを検討し、デジタル・ストーリーテリングや資金調達に言及するとともに、連携やトレーニングのための主要なデジタル・ツールを探索する。また、サイバーセキュリティー上の考慮すべき事柄を扱い、テクノロジーを活用し、話題となっている創造的なアプローチに注目する。デジタル技術は、これらの運動を常に成功に導く特効薬ではないが、デジタル・テクノロジーで能力を強化し、勝利するための明確な活用方法や推奨事項は存在する。