政策提言

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最新の政策提言とレポート

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

中国、インド、パキスタンの「核のトリレンマ」を管理するために

政策提言  No.134 - 2022年07月

南アジアでは、三つの核保有国である中国、インド、パキスタンが、危険な戦略地政学的関係の中で共存している。関係を特徴付けるのは、国境を接していること、核兵器備蓄の増加、兵器プラットフォームの拡大と近代化、民族統一主義的な領有権の主張、そして紛争の相互関連である。冷戦時代には2大国の間で、また米国と同盟国の間で戦略核政策をめぐる対話の慣行があったのに対し、同様の対話は南アジアに存在しない。また、大陸を横断する国家間関係を制御・調整し、緩衝と危機安定化の役割を果たしうる包括的な地域組織もない。たとえ限定的でも南アジアで地域的な核応酬が起きれば、人間、環境、政治に壊滅的な影響が及ぶ恐れがある。中国、インド、パキスタンが絡む南アジアの「核のトリレンマ」は、リスクは小さいもののインパクトが大きい、そしてまだ十分に研究されているとは言えない地政学的脅威である。

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament Peace and Security in Northeast Asia

「海峡」情勢の行方:中国・台湾・米国の関係変化の見通し

政策提言  No.126 - 2022年03月

台湾海峡周辺の海域では戦争の噂が長年渦巻いており、いま再び緊張が高まっている。習近平国家主席とジョー・バイデン大統領が2021年にオンライン会談を行った際、習はバイデンに対し、米国が台湾独立を支持すれば「火遊びになる」と警告した。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻、それに先立つプーチンと習近平の新たな戦略的パートナーシップの合意は、北京が台湾への武力行使の脅しを実行するのではないかという危惧を東アジアにもたらした。この状況で、平和的に台湾海峡の戦争を回避できる見込みはどの程度あるだろうか? 中国と台湾、中国と米国の関係は、より協調的に紛争を管理できる形で発展させることができるだろうか?

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament Peace and Security in Northeast Asia

AUKUS(オーカス)のリスクと有益性の分析

政策提言  No.115 - 2021年09月

9月16日、オーストラリア・英・米の3カ国首脳らは、オンラインサミットの閉会にあたって、AUKUS(オーカス)というややぎこちない名前の安全保障の取り決めに合意したことを発表した。この取り決めは、英国(UK)と米国(US)がオーストラリア(AU)に対して原子力潜水艦8隻の取得を支援するため技術・物資支援を行うという、前例のないものである。

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

核兵器禁止条約と日本

政策提言  No.110 - 2021年06月

2020年10月24日、ホンジュラスの批准により批准数50という発効要件が満たされ、その90日後の2021年1月22日に「核兵器禁止条約」(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons(TPNW)。以下「禁止条約」と呼ぶ。)が発効する運びとなった。しかし、「禁止条約」に参加しない国に条約の禁止規定は及ばず、核兵器国およびその拡大抑止に依存する核の傘下国は「禁止条約」に反対している。とは言え「禁止条約」が発効すれば、核兵器国およびその同盟国も、これを無視できまい。「禁止条約」が国連総会の下の条約交渉会議で122カ国の賛成により採択され、かつ、発効するということは、国際社会に核兵器の禁止が急務だとの認識が広がっている証しだからだ。

Climate Change and Conflict

コロナ禍を契機とする都市部から地方への逆移住:ツバルの事例

政策提言  No.106 - 2021年04月

コロナ禍の間、太平洋諸島では移住パターンに逆転が見られた。都市の有給雇用が減少するなか一部の地方への移住が増加し、多くの場合は国の政府がそれを奨励した。当初の地方移住の後に都市部に戻る移住者もいたものの、コロナ禍の間に生じたこの都市部から地方への移住は、たとえ一時的現象だとしても、太平洋諸島の人々の間では地方との文化的・血縁的な結びつきというものが、特に外的ショックにさらされた場合にレジリエンスを維持するのに、いかに助けとなるかを理解するうえで参考となる。