北東アジアの平和と安全保障に関するグローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

北東アジアの平和と安全保障に関するグローバル・アウトルック

尹大統領の「反国家勢力」発言と韓国の終戦宣言

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2023年08月25日

「反国家勢力」に関する不用意な発言が、国民的合意に基づく国家安全保障政策に本当に資するものと考える理由があるだろうか?

米国との同盟が戦略的自律の足かせに: 韓国人専門家

王雯雯(ワン・ウェンウェン)  |  2023年08月16日

グローバルタイムズ(GT)の王雯雯(ワン・ウェンウェン)記者とのインタビューで、彼は中韓関係、韓米同盟、戦略的自律、そして地域の安定を維持するために韓国が果たす役割について語った。

G7後の北東アジア展望: 強風、荒波、さらには危険な嵐か

ヒュー・マイアル  |  2023年06月20日

G7サミットの後、北東アジアには緊張状態が続いている。サミットは、この地域における利害や秩序の対立を調整するのではなく、米国主導の秩序の原則を強く主張したためだ。

尹大統領の価値観外交の1年は合格に値するか?

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2023年05月31日

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は4月下旬、米国への国賓としての訪問を、ハーバード・ケネディ・スクールでの「自由への新たな旅」と題する演説で締めくくった。演説で彼は、反知性主義と全体主義によって自由と民主主義が危機に瀕していると論じたうえで、韓国は米国とともに価値観外交の先頭に立つと宣言した。

デカップリングではなくデリスキング: 言葉の巧妙な言い換え以上のものか?

ハルバート・ウルフ  |  2023年05月26日

中国にどのように対処するべきか? 西側先進国はここしばらく説得力のある対中戦略を見いだそうと試みている。広島で行われたG7サミットの一つの成果は、そのような共同の対中戦略を、少なくとも机上では策定したことである。最終コミュニケによれば、G7を構成する主要7カ国は、問題は中国から経済的にデカップリングすることではなく、リスクを低減し、依存を軽減することだという点で合意している。この戦略は、キャッチーでアングロサクソン的な「デリスキング」という言葉で呼ばれている。理屈はもう結構だ。実際にこの政策をいかに実現するかは、今後の課題である。G7各国政府の一致した合意にもかかわらず、それぞれの国は、利害関係に応じて「デリスキング」が意味することについて独自の理解をしている。

アジア太平洋からインド太平洋へのシフトは誰のためか?

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2023年05月16日

筆者が極めて特異と感じるのは、従来のアジア太平洋秩序がいまだ健在であるにもかかわらず、日本の安倍晋三首相が最初に提唱し、米国のドナルド・トランプ、ジョー・バイデン両大統領が練り上げたインド太平洋戦略と、それがもたらした地域における新秩序が、これほど短期間で支配的パラダイムとして浮上したことである。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。