北東アジアの平和と安全保障に関するグローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

北東アジアの平和と安全保障に関するグローバル・アウトルック

ウクライナをきっかけに北東アジアで核ドミノの懸念

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年05月10日

冷戦時代とは、人類が核戦争という恐ろしい見通しに震えた時代であった。しかし、それは同時に、核抑止戦略や多岐にわたる核軍縮交渉から戦略的安定性が形成された時代でもある。これは、冷戦のパラドックスとして知られる。

国家安全保障政策が基盤とすべきひとつのこと:事実

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年02月15日

近年、韓国でも他の国でも、客観的真実と世論の境界が曖昧になっており、主観的な憶測が事実よりも幅をきかせているようだ。例えば米国では、気候否定論、反ワクチン運動、不正選挙の主張といった陰謀論は、司法判断、政府や信頼性の高い研究機関による発表よりも大きな政治的影響を及ぼしている。このような傾向は、政策に関する健全な議論を妨げ、合理的な政策策定を困難にする。

金王朝:揺るぎなき支配力

ハルバート・ウルフ  |  2022年01月19日

金正恩が2011年12月に北朝鮮の権力を握った時、多くの識者らが故金正日の息子で初代主席金日成の孫である、わずか28歳の政治未経験なこの人物が権力の座に長くとどまることは難しいだろうと予測した。共産主義の金王朝は間もなく終焉を迎えるだろうと見られていた。しかし、10年後の今日、独裁者は揺るぎない支配力を握っている。さて10年後の彼の経済や安全保障を巡る実績はどうなっているだろうか。

韓国のレジリエンス戦略に向けて

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年01月17日

2022年はあらゆる面で韓国のレジリエンスが試される勝負の年となるかもしれない。われわれは、2022年を迎えた。昨年は新型コロナや他の問題で多大な困難に直面したが、韓国の国際的威信は1段階上がったというのが大方の見方である。

終戦宣言への懐疑論を受けて

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2021年12月14日

文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領が2021年9月21日の国連総会演説で、朝鮮戦争の正式な終戦宣言を実現するために国際社会の協力を求めて以来、この問題は、文大統領の任期終了が近づく中で政府の外交努力の最前線にある。

中国と米国: 反目する被害妄想の2大国

チャンイン・ムーン(文正仁)  |  2021年11月11日

米国は中国に抱く恐怖を大袈裟に言い立てており、それが今度は中国をほとんどヒステリックなほど攻撃的な防御態勢に駆り立て、問題を悪化させている。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。