現代平和研究と実践に関するグローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

現代平和研究と実践に関するグローバル・アウトルック

平和研究の意味とは?

ロジャー・マクギンティ  |  2021年09月13日

研究テーマとしての平和、そして実践としての平和に、かつてないほどの注目と資金が集まっている。大学では、平和や関連テーマに関する授業が大盛況である。平和に関する学術論文や政策文書が次々に発表され、いまや非常に大勢の国際的な「平和専門家」が国際機関や国際NGOで働いている。要するに、平和ビジネスに従事するには良い時代ということである。

アフガニスタンの状況に平和の兆し見られず

アミン・サイカル  |  2021年09月08日

パキスタンが糸を引くタリバンの復活により、近い将来にアフガニスタンが安定した堅牢な平和国家へと生まれ変わる見込みは失われた。新たに組閣されたタリバンの暫定内閣は、アフガニスタン国民の大部分と国際社会にとって、政治的にも倫理的にも受け入れ可能なものとして正当化できる余地はない。いまやアフガニスタンは、世界の除け者国家になる可能性がある。

アフガニスタン: 過ちと混乱から学べるか?

ハルバート・ウルフ  |  2021年08月22日

20年に及ぶアフガニスタン政策の災禍が終わった。西側諸国は、自らの政策が砕け散るのを目の当たりにし、タリバンが復権した今、アフガニスタンの未来は先が見えない。状況はあまりにも複雑で、多くの未解決の問題に確かな答えを見いだすことは難しい。

夢想物語(Pipe Dreams):ノルドストリーム2

ハルバート・ウルフ  |  2021年07月30日

アメリカとドイツの両政府は、ロシアからドイツへ天然ガスを供給するために計画されたノルドストリーム2について、賛否両論があり長く議論されてきたが、ついに妥協に至った。ロシアによる天然ガス供給は今に始まったことではない。2011年からバルト海で稼働しているパイプライン(ノルドストリーム1)があり、また別の重要なパイプライン供給系統がウクライナを経由している。

フィジーが新型コロナによる貧困の危機

バレイナコロダワ、ウポル・ルマ・バアイ  |  2021年07月27日

After almost a year of being community COVID-free, Fiji Islands, one of the popular tourist destinations in the Pacific, is currently experiencing an exponential increase in active cases since the Delta variant, second wave of the Corona virus, landed on her shores in April 2021. The outbreak has recorded, to date, a total of 22,443 active cases and 177 deaths over the past three months.

ミャンマーのパンデミック:国連が行動を起こせ!

スタイン・トネソン(Stein Tønnesson)  |  2021年07月23日

ミャンマーで新型コロナの検査を受けた人のうち、3分の1を超える人の陽性が判明している。ヤンゴンの火葬場では全ての遺体を処理できない状態である。2月1日のクーデター以来、多くの保健従事者がストライキを続けている。彼らが自発的に人々を助けようとすると、逮捕のリスクを冒すことになる。ソーシャルメディアには酸素を求める必死の声があふれている。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。