現代平和研究と実践に関するグローバル・アウトルック

「グローバル・アウトルック」では、専門家が難解な現代の課題について意見を発信しています。

現代平和研究と実践に関するグローバル・アウトルック

到底無理な話

ハルバート・ウルフ  |  2022年06月22日

ロシアのウクライナ侵攻直後、全てのEU諸国および欧州NATO加盟国の政府が反応を示した。ウクライナを支援するだけでなく、自国の軍事費増額も発表したのである。しかし、実際には全ての費用を賄えるわけではないことを示すいくつかの兆候がある。

揺らぐ米国のリーダーシップが生み出す不安定な世界秩序

文正仁(ムン・ジョンイン)  |  2022年06月02日

地政学において、覇権とは一つの国に権力が集中することを指す。覇権国が力によって世界を支配するとき、帝国が誕生する。しかし、国家がその地位を利用して新たな世界秩序を築き、共同の繁栄と平和を国際社会にもたらす場合には、その国家は覇権的リーダーシップを確立することができる。

欧・米の“ダブルスタンダード”

ハルバート・ウルフ  |  2022年04月05日

現在、ウクライナ戦争の賛否の理由を論じたり、あるいはこの戦争の惨状を歴史的な論拠で説明するために、歴史になぞらえたアナロジーが非常によく用いられている。

最良の時代、最悪の時代

ジョセフ・カミレリ  |  2022年04月02日

あらゆる側面から重大な問題が私たちに押し寄せている。ある日は新型コロナウィルス感染症、次の日はウクライナ危機、その翌日は気候変動の惨状、そして人種差別の様々な醜い顔...。数え上げればきりがない。これらは、単につながりのない苦悩なのか、それとももっと深刻な病の症状なのだろうか。私たちはどのようにこれらの状況を理解すれば良いのだろうか。政治的駆け引きやプロパガンダ、ありきたりの決まり文句を超えることはできるだろうか。このようなことについて、どのように他者とコミュニケーションをとればよいのだろうか。どのように対応すればよいのだろうか。

ウクライナにおけるロシア軍の1週間の死者数はアフガニスタン侵攻時のソ連軍を上回る

アミン・サイカル  |  2022年03月11日

ロシアは、ウクライナ侵攻の最初の6日間に死傷したロシア兵の数はごくわずかだと主張しているが、ウクライナは戦死者数が5,000人以上、負傷者はそれをはるかに超えると発表している。どちらの主張も立証することはできないが、たとえロシアの公式な数字に基づくとしても、1980年代の10年間にアフガニスタンで戦死したソ連兵の数に比べてはるかにハイペースである。これにより、ウラジーミル・プーチンが指揮するロシア軍の能力と有効性について、ソ連時代の前任者たちが指揮を執ったアフガン戦争時の軍隊と比較した場合、深刻な疑念が生じる。

偽旗作戦とフェイクニュースの出会い: ウクライナ侵攻はどうなるか

ラメッシュ・タクール  |  2022年02月19日

NATOの初代事務総長を務めたイスメイ卿は、NATOの使命を「ソ連を締め出し、米国を引き入れ、ドイツを抑え込むこと」と印象的に表現した。冷戦が終結しても解散するのではなく、NATOはその存在を正当化する新たな敵と使命を求めて軍事同盟となった。

「グローバル・アウトルック」に掲載された論説は著者の視点や意見にもとづき執筆されており、戸田記念国際平和研究所としての方針や立場を必ずしも反映しているわけではありません。