戸田記念国際平和研究所は被爆80年に当たり、ケビン・クレメンツ所長による声明を発表すると共に、研究所所蔵の被爆地ヒロシマの当時を復元した映像など貴重な歴史資料を公開しました。合わせてこれまで研究所が発信した「核兵器」に関連する論考を紹介しています。「核兵器廃絶」を創立の原点とする研究所として、これからも世界が直面する平和への課題解決のためさらに尽力して参ります。

 戸田記念国際平和研究所は被爆80年に当たり、ケビン・クレメンツ所長による声明を発表すると共に、研究所所蔵の被爆地ヒロシマの当時を復元した映像など貴重な歴史資料を公開しました。合わせてこれまで研究所が発信した「核兵器」に関連する論考を紹介しています。

 「核兵器廃絶」を創立の原点とする研究所として、これからも世界が直面する平和への課題解決のためさらに尽力して参ります。

所長声明

ヒロシマ・ナガサキから80年:
記憶、責任、そして核兵器の将来

ケビン・P・クレメンツ
戸田記念国際平和研究所所長

[+] 続きをみる

映像/制作者について

戸田記念国際平和研究所は、映像プロデューサーの田邊雅章氏が「広島・被爆地復元映像プロジェクト」として制作してきた映像資料を、核兵器の非人道性を後世に力強く継承し、核兵器なき平和な世界の実現のための研究資料として、長年にわたりその保管と活用に努めてきました。

この度、被爆80年の節目に当たり、被爆体験を継承し、原爆の実相を後世に伝えること、そして平和の精神を涵養するという本映像制作の目的に、より一層寄与していくため、当研究所が同氏より著作権の譲渡を受けた映像資料を、ウェブ上に掲載することにいたしました。

制作者の田邊雅章氏は、原爆で父母と弟を失い、自らも入市被爆していますが、一連の作品は原爆投下前の広島市中心部の姿をコンピュータ・グラフィクス(CG)で復元しようとするもので、約17年にわたり制作してきたものです。

一発の原子爆弾によって広島の街は廃墟と化しましたが、そこには庶民の日常の暮らしがあり、幸福な家庭がありました。一瞬にして全てを奪った原爆の悲惨さと実相を、そこで生活していた人々の目線から描き出した労作となっています。

映像

  • 『知られざるヒロシマの真実と原爆の実態』(短縮/普及版)

    2015年制作
    短縮普及版:41分

    爆心地に近い広島県産業奨励館(原爆ドーム)のすぐそばで生まれ育ち、奇跡的に被爆を免れて生き残った作者が描く、ヒロシマの記録映像。戦後70年の節目に制作された本作は、原爆を実際に体験した人々の証言から、当時の日常、生活、人々の暮らしを可視化して再現し、原爆が一瞬にして地上から消し去ったもの、破壊の惨状、そして非人道性を描き出す。

  • 知られざるヒロシマの真実と原爆の実態』(フル)

    2015年制作
    フル:60分

    爆心地に近い広島県産業奨励館(原爆ドーム)のすぐそばで生まれ育ち、奇跡的に被爆を免れて生き残った作者が描く、ヒロシマの記録映像。戦後70年の節目に制作された本作は、原爆を実際に体験した人々の証言から、当時の日常、生活、人々の暮らしを可視化して再現し、原爆が一瞬にして地上から消し去ったもの、破壊の惨状、そして非人道性を描き出す。

  • 『ヒロシマ・グラウンド・ゼロ』~あの日、爆心地では~

    2005年制作
    短縮普及版:51分

    原爆で被災する前に、広島県産業奨励館(原爆ドーム)周辺に広がっていた細工町。証言、写真資料をもとに、原爆投下の午前8時15分までの街と暮らしをCGを用いて映像化し再現する。爆心直下にあった人々の営みと、炸裂直後の凄惨な光景を、証言に基づいて描き出す貴重な記録映像。

  • 『原爆ドームと消えた街並み』

    1998年制作
    時間:83分

    原爆で消えた街・爆心地の「猿楽町」。本編は、実際の被爆者が語る証言と記録映像、地図などから、町の様子を再現した。あの日の町の様子、人々の暮らしはどのようなものだったのか ― 数々の写真や証言から、原爆で消えた街「猿楽町」を記憶と記録で掘り起こす、貴重なドキュメンタリー。

  • 『爆心地猿楽町復元』

    2002年制作
    時間:51分

    本編は、原爆で消えた町「猿楽町」の街並みを、被爆者の証言、当時の写真、資料をもとにCGを活用して詳細に復元した。また、被爆の瞬間とその後の惨状を、目撃者の記憶とともに描き出す。原爆がこの地上から一瞬にして消し去ったものとは、そして原爆が生み出した破壊の惨劇とは。貴重な証言に基づくドキュメンタリー。

  • 『HIROSHIMA LOST』

    2015年制作
    短縮普及版:41分

    『知られざるヒロシマの真実と原爆の実態』の英語版
    This documentary was created by an author who was born and raised near the Hiroshima Prefectural Industrial Promotion Hall (now the Atomic Bomb Dome), close to the hypocenter, and miraculously survived without being exposed to the bomb. Produced to mark the 70th anniversary of the end of World War II, the film visualizes and reconstructs the everyday life, routines, and people of that time through testimonies of those who actually experienced the atomic bombing. It portrays what was instantly wiped out from the earth, the devastation caused by the explosion, and the inhumanity of the atomic bomb.

戸田平和研究所の核兵器に関する論考(抜粋)

これまで戸田記念国際平和研究所では、「核兵器」をテーマに取り上げた「政策提言」や「グローバル・アウトルック」(GO)など多くの論考を発信してきました。そのうちウエブサイト日本語版に掲載された論考の中から主なものを紹介します。

<政策提言139> 「核軍縮と国連改革」(要約版)

ラメッシュ・タクール(戸田記念国際平和研究所上級研究員) | 2022年11月
政策提言
 

<政策提言110> 「核兵器禁止条約と日本」

小溝泰義(元外交官、広島平和文化センター元理事長) | 2021年6月
政策提言
 

<政策提言104> 「人道イニシアチブと核兵器禁止条約」(要約版)

アレクサンダー・クメント(オーストリア外務省軍縮局長) | 2021年2月
政策提言
 

<政策提言100> 「核兵器禁止条約:ロシアの視点」(要約版)

ウラジミール・バラノフスキー(ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所理事) | 2021年1月
政策提言

<GO219> 「核を巡る4つの神話」

ラメッシュ・タクール(戸田記念国際平和研究所上級研究員) | 2023年6月6日
グローバル・アウトルック
 
 

<GO200> 「韓国にとって核武装は『ルーズ・ルーズ・ルーズ』」

文正仁(ムン・ジョンイン)(延世大学名誉教授) | 2023年3月3日
グローバル・アウトルック
 

<GO160> 「核共有への懸念: 核軍備管理に痛手」

ハルバート・ウルフ(ボン国際紛争研究センター元所長) | 2022年7月23日
グローバル・アウトルック
 

<GO150> 「核不拡散から核兵器禁止と核軍縮へと至る道筋: ロードマップ、ロードブロック、スピードバンプ」

ラメッシュ・タクール(戸田記念国際平和研究所上級研究員) | 2022年6月28日
グローバル・アウトルック

<GO31> 「核兵器禁止条約を推進するために」

ティルマン・ラフ(核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN=共同創設者) | 2021年2月16日
グローバル・アウトルック
 

<GO20> 「核兵器国は使用後責任を受け入れるか?受け入れないなら、それはなぜか?」

ジョージ・パーコビッチ(カーネギー国際平和基金副所長) | 2020年12月17日
グローバル・アウトルック

戸田記念国際平和研究所は、政策指向の平和研究と実践を通じて、
より公平で平和な世界の推進に取り組む、独立した不偏不党の研究機関です。