Cooperative Security, Arms Control and Disarmament
核兵器に対する懐疑論者の見解
Report No.141 - August, 2025 • By ラメッシュ・タクール
核兵器が戦争兵器として初めて使用されたのは、1945年8月6日の広島だった。最後の使用は、その3日後の長崎だった。人間は、重大な出来事について過剰な分析や不必要に複雑な解釈を行う傾向がある。1980年代のピーク時には米国とソ連が保有する核弾頭数は何万発にも達したにもかかわらず、なぜ1945年以来、80年間にわたって核兵器が再び使用されなかった最もシンプルな説明は、核兵器は本質的に使用できないということである。
Cooperative Security, Arms Control and Disarmament
現状を把握し前進する―― 国連「未来のための協定」の「国際平和と安全保障行動」の機会と課題
Report No.139 - March, 2025 • By アポリーン・フォーディット、キース・クラウス
本報告書は、2025年1月30日~31日にジュネーブで開催された紛争・開発・平和構築研究センター(CCDP)と戸田記念国際平和研究所が開催した「未来のための協定」に関する国際会議での主要な洞察と議論をまとめたものである。この会議では、以下のような差し迫った問題について議論がなされた。
Cooperative Security, Arms Control and Disarmament
リベラルな国際秩序の行方――再構築か、代替か?
Summary Report No.135 - June, 2023 • By ヒュー・マイアル
われわれは、世界情勢の転換点に立っている。すでに数年前から、アナリストたちはリベラルな国際秩序が崩壊する可能性を口にしている。世界情勢の重心がアジア太平洋へとシフトし、中国が飛躍的な台頭を続けるなか、より中国中心主義的な特徴を備るであろう新たな世界秩序に西側主要国がどこまで適応することができるか、また、その気があるかという疑問が投げかけられている。同時に、インド太平洋の重視は、インドが大国として浮上していることを示している。このような勢力図の変化によってもたらされる世界では、リベラルな西側民主主義国家、自由市場経済、英語圏諸国などがその優位性を失うかもしれない。欧州においてもアジアにおいても、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻や、台湾、南シナ海、朝鮮半島をめぐる紛争の先鋭化を受けて、安全保障体制が争点となっている。こういった状況と同時に、国際軍備管理秩序の崩壊、グローバル制度や地域的制度の部分的衰退も起こっている。国際制度は、パンデミックや気候変動、さらには新たなグローバル安全保障問題といった課題に対処する十分な能力を欠いているようである。どのような新しい規範や政策措置、制度変更が、歴史の弧を曲げて対立から遠ざけ、より望ましい未来へと近づけることができるのだろうか? 本ワークショップでは、世界情勢とグローバルガバナンスに関わる研究機関にとって、研究の新たな方向性はどのようなものかを明らかにすることを目指した。
Cooperative Security, Arms Control and Disarmament
紛争解決の原則はウクライナに適用できるか?
Policy Brief No.134 - January, 2023 • By ヒュー・マイアル
ロシア・ウクライナ戦争で和平合意に至ることは困難ではあるが、本政策提言では、仮に両当事者が現在の立場から脱却しようとするのであれば、紛争解決の原則を適用し得ると提案する。本稿では、紛争の背景、考え得る和解の輪郭、紛争解決のプロセスについて検討する。
Cooperative Security, Arms Control and Disarmament
代理戦争としてのウクライナ:問題、当事者、考え得る帰結、そして教訓
Policy Brief No.133 - January, 2023 • By ラメッシュ・タクール
ロシアのウクライナ侵攻により、欧州が世界情勢の中心に返り咲くとともに、地政学的・領土的紛争、そして1945年以来経験されなかった大規模戦力による地上戦が欧州に戻ってきた。本論文では、紛争の核となる問題、紛争当事者、この戦争におけるさまざまな結末、そしてこの紛争から導かれる主な教訓という、絡み合う4本の糸について、より長期的かつ広範な視点からこの危機を分析する。そして、「次はどこへいくのか?」という問いで論を結ぶ。