ニュース・お知らせ

訃報 創立者・池田大作先生 逝去

2023年11月21日 - ニュース

 戸田記念国際平和研究所の創立者である池田大作先生が2023年11月15日、逝去された。95歳だった。池田先生は、平和・文化・教育を推進する在家仏教団体の創価学会インタナショナル(SGI)を設立し会長を長年務め、192か国・地域に1,200万人の会員を擁するまでに発展させた。  池田会長は50カ国以上を歴訪し各界リーダーと平和・文化促進へ対話を進めた。中国の周恩来首相、ソ連のゴルバチョフ大統領ら首脳とも語らいを続けた。冷戦のさなかにもモスクワと北京を訪れ、1972年の日中国交正常化への道を開いた。  こうした経験が、傾聴と対話による変革の力への強い信念を生み、師匠である戸田城聖先生を顕彰し戸田記念国際平和研究所を設立した。戸田先生は、1957年に5万人の青年を前に歴史的な「原水爆禁止宣言」を発表し、核兵器の断固廃絶を訴えた。  池田会長は多くの書籍も執筆し、英国の歴史家アーノルド・トインビー、ジョセフ・ロートブラット、エリース・ボールディングなど数多くの識者と行った対談に基づく書籍も出版している。  戸田記念国際平和研究所一同は、創立者・池田大作先生の恒久平和への構想実現のため、さらなる努力を続けてまいります。ここに謹んで哀悼の意を表します。

NPT再検討会議に寄せて 池田SGI会長が緊急提案

2022年07月29日 - ニュース

 核軍縮等を議論する核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議が、2022年8月1日(現地時間)からアメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれる。ウクライナの情勢をはじめ国際社会の緊張が高まる中、核兵器使用のリスクはかつてないほど増大しており、核兵器保有国も参加する同会議で、核兵器の使用と核戦争のリスク回避へ道筋をどうつけるかが焦点となっている。  2022年7月26日、戸田記念国際平和研究所の創立者であるSGI(創価学会インタナショナル)の池田大作会長は、同会議に寄せて核兵器を巡る危機の克服へ「核兵器の先制不使用」の誓約などを求める緊急提案を発表した。 緊急提案の全文はこちらから   Image: Romolo Tavani/ Shutterstock

追悼:武者小路公秀

2022年07月15日 - ニュース

武者小路公秀教授、1929年―2022年    武者小路公秀教授のご逝去の報に接し、戸田記念国際平和研究所は謹んで哀悼の意を表します。武者小路先生は長年にわたり当研究所の活動を支援してくださり、私個人にとっても親しい友人でありました。  武者小路教授は1929年にベルギーのブリュッセルで生まれ、2022年5月23日に92歳でご逝去されました。国際関係論と平和研究を中心に、長きにわたる優れた学問的キャリアをお持ちでした。実際、平和研究が学問として認知されるずっと以前から平和研究者でありました。  しかし、決して机上の学者で満足することなく、非暴力の推進、暴力的紛争の平和的解決、あらゆる場所での軍国主義の終焉にその生涯を捧げたのです。また、国連を強化し、日本や世界の人権、多文化、寛容を推進するために、休むことなく擁護し続けました。  武者小路教授は、学習院大学法学部政治学科、パリ大学政治学院を卒業されました。その後、学習院大学で際立ったキャリアを重ねられ、1968年から1976年まで上智大学教授、1969年にご自身で設立した同大学国際関係研究所所長を務められました。国連大学副学長を13年間務め、明治学院大学教授(1989-1998)、フェリス女学院大学教授(1998-2000)、中部大学教授(2001-2004)、2013年から退職するまで、大阪経済法科大学特任教授を歴任されました。  教授との出会いは、タシケントで行われた国連大学とソ連科学アカデミーが主催する核軍縮に関するワークショップでした。教授は、貴族のご出身でありながら、決してエリート主義的な考え方で人と接することはありませんでした。むしろ反対に、あらゆる階層、あらゆる文化の人々と心を通わせる驚くべき才能の持ち主で、このワークショップでもその才能を発揮されていました。また、日本語、英語、フランス語、スペイン語に堪能であり、政治的な見解に関係なく、全ての人と強い協力関係を築く素晴らしい才能もお持ちでした。私は、ワークショップでも、また先生のご生涯を通じても、対話と積極的な傾聴を促す能力に感銘を受けておりました。タシケントの後も、多くの会合に私を招待してくださいました。  武者小路教授は、誰に対しても分け隔てなく接し、肯定的で、励ましを送る方でした。また、揺るぎない意見を力強く述べると同時に、異なる意見の持ち主を深く尊重することができる方でもありました。国際主義と人種差別反対への献身は、ご自身の混血児としての体験、そしてローマ・カトリックとマルクス主義の思想的影響もあったと思います。氏はフランス人のクオーターで、7歳で日本に帰国した時、学校の仲間から「純日本人」ではないといじめられたそうです。このいじめが、氏の生涯の仕事を方向付けた原点となったのです。  また、世界中の少数民族や社会から取り残された人々の擁護者でもあり続けました。そのため、教授はそうした人々の大規模で活発なネットワークを持っており、彼らは、自分たちの声が確実に届き、抑圧や搾取を受けないようにするために、教授がしてくれた全てのことに深く感謝していました。例えば、反差別国際運動(IMADR)の副理事長(後に名誉理事長)、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)の会長、大阪国際平和センター(ピースおおさか)会長を務めました。  さらに、早くから環境の持続可能性を提唱していました。例えば、1990年代後半に東京で夕食をご一緒したとき、差し出された割り箸を使わず、自分の箸を買い求めたのにはとても感心しました。この小さな行動が、自分の行動と信念を一致させたいと願う彼をよく表していました。  また教授は、国際平和研究学会を熱烈に支持してくださり、ケネス&エリース・ボールディング夫妻やヨハン・ガルトゥングなど、平和研究の先駆者たちと密接な関係を築いておられました。  私たちは、偉大な学者であり、日本の国際主義者であり、そして素晴らしい人間を失いました。ご遺族の皆様、そして彼と知り合う栄誉を得た全ての方々に、心よりお悔やみを申しあげます。 戸田記念国際平和研究所所長 ケビン・P・クレメンツ Image: https://www.mushakoji.com/

安倍晋三元首相暗殺に対する所長コメント

2022年07月12日 - ニュース

  安倍晋三 1954-2022                                             Image Credit: Anthony Quintano/Flickr  戸田記念国際平和研究所は、日本で最も長期にわたり首相を務めた安倍晋三氏の暗殺という悲劇的なニュースに衝撃を受け、悲しみを覚えています。  このような無分別な暴力行為が存在する余地はどこにもありません。日本のような平和を愛し、安全な国でこのようなことが起こるのは理解し難いことです。平和で、非暴力的な国としての日本の名声が取り戻され、維持されることを願っております。  安倍晋三氏のご家族ならびに日本国民の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 戸田記念国際平和研究所所長 ケビン・P・クレメンツ

戸田平和研究所所長に「ルクセンブルク平和賞」の授与が決定

2022年04月07日 - ニュース

授賞式が行われるルクセンブルク市内の街並み  戸田記念国際平和研究所所長のケビン・クレメンツ教授が、平和を推進するための優れた努力と取り組みが評価され、2022年「ルクセンブルク平和賞」の「優れた平和活動家」に選出されました。  この名誉ある賞は、「優れた平和活動家」「優れた平和教育」「優れた平和支援」など、いくつかのカテゴリーに分けられ、授与されます。  クレメンツ教授は、2017年から戸田平和研究所の所長に就任し、世界各地の研究者やNGOと協働し平和構築へ取り組むとともに、平和教育に貢献するなど、長いキャリアを積んできました。それ以前は、オタゴ大学・国立平和紛争研究所(NCPACS)の初代所長を務めていました。  この賞は、ルクセンブルク大公国のアンリ大公が承認した非営利の慈善団体であるシェンゲン平和財団が設立したものです。同財団は、議論、出版、展示、ワークショップ、インターネットプラットフォーム、出会い、交流、教育プログラム、平和研究などを通じ、多文化間の対話を通じて平和、寛容、理解を促進し、より平和な世界の構築に寄与しています。 https://www.odt.co.nz/news/dunedin/campus/lifetime-peace-work-recognised