ノーベル平和賞フォーラムに戸田平和研究所が参加
戸田記念国際平和研究所は、本年開催されたノーベル平和賞フォーラムに代表を派遣する栄誉に浴しました。同フォーラムはノルウェー・ノーベル研究所が主催し12月11日にオスロで開催され、SGIが後援しました。
本年のテーマは「銃弾ではなく投票を――平和への民主的な道のり」でした。世界で民主主義の後退が懸念される中、民主主義が直面する課題について議論が交わされました。

「平和の探求における民主主義の役割」と題した討論会では、戸田平和研究所の研究テーマ「民主主義の危機と課題」担当のオリビア・ストークス・ドライアー上級研究員(写真)が登壇しました。同氏は、近年の民主主義の後退は特定の国々の問題ではなく、情報空間の分断、政治不信の高まり、経済的不安定といった複合的要因によって引き起こされる国際的に連関する現象であると指摘しました。
また、権威主義体制が国境を越えて連携していることに触れ、民主主義国家こそ力を合わせるべきであり、同研究所の新しいプロジェクト「民主主義の灯台(Democracy Lighthouse)」ウェブサイトを紹介し、世界各地の民主主義研究の情報を集約・提供していることを説明しました。
このフォーラムでは、西アフリカのリベリア共和国元大統領であり、2011 年のノーベル平和賞受賞者であるエレン・ジョンソン・サーリーフ氏による基調講演が行われ、持続可能な平和は、民衆が力を持ち政治指導者が公僕として奉仕する、包括的で誠実な民主主義によってのみ構築できると強調しました。
また、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士の孫娘であるヨランダ・リネー・キング氏、そしてデズモンド・ツツ元大主教の孫娘であるムンギ・エンゴマニ氏もスピーチを行いました。両氏は、暴力や憎悪の蔓延に抵抗するためには、希望を失ってはならないこと、そして自分の意見を表明すること自体が平和の行動であることを強調しました。
© Nobel Prize Outreach - Helene Mariussen