戸田記念国際平和研究所とハンブルグ大学平和・安全保障政策研究所が共催
公開政策対話:気候変動と安全保障――太平洋地域から学ぶ
日時:2024年9月17日
午後6時15分~7時45分(現地時間)
(日本時間では9月18日午前1時15分~2時45分)
会場:ドイツ・ハンブルク大学
気候変動と安全保障という複雑に関わり合う課題への対応について、われわれは太平洋から何を学ぶことができるでしょうか?この公開政策対話では、太平洋地域と北欧の専門家が一堂に会し、気候変動がさまざまな地域の平和と安全保障にどのような影響を与えているのかについて議論します。太平洋島嶼国を脅かす海面上昇から、北極圏のコミュニティーが経験する環境暴力まで、気候変動が安全保障に与える影響への対応策を検討する上で、現地の視点と先住民の知恵が重要である点に着目します。
地域の不安定性は、欧米の考えや利益を中心とした広範な議論に覆い隠されてしまうことがあまりにも多いのです。例えば、欧米の視点では気候変動の地政学的な影響に焦点が当てられるかもしれませんが、太平洋諸島では海面上昇による土地の消失で、文化遺産が失われることを深く懸念しています。同様に、北極圏では環境の変化により伝統的な生活様式が崩壊しつつあり、地元住民は新たな安全保障上の懸念に直面しています。
こうした状況にも関わらず、太平洋諸島民や地域の先住民コミュニティーは、気候危機の単なる犠牲者ではありません。彼らは気候緩和イニシアチブや気候変動適応の革新的な取り組みを先導する開拓者でもあります。これはライジング・ネイションズ・イニシアチブ(Rising Nations Initiative)やデジタル・ツバルといった取り組みにも表れています。パネルディスカッションではこれらの最近の先駆的取り組みを紹介し、相互の学びと交流の場としていきます。
進行:
ハンブルグ大学平和・安全保障政策研究所(IFSH)所長
ウルスラ・シュローダー教授(博士)
パネリスト:
フィリップ・マウパイ:ドイツ外務省 気候変動地政学・気候・安全保障担当
ウポル・ルマ・バアイ:太平洋神学大学学長、神学・倫理学教授(フィジー)
ジャナニ・ビベカーナンダ:Adelphi (ベルリン)気候外交・安全保障プログラム長
セドリック・H・ド・コニング:ノルウェー国際問題研究所(NUPI)研究教授
アンナ・ナウパ:オーストラリア国立大学文化歴史言語学部バヌアツ人博士候補生
この公開政策対話は、戸田記念国際平和研究所とハンブルグ大学平和・安全保障政策研究所(IFSH)が共催するワークショップ「気候変動による損失、紛争と平和:実存的危機への関係性的対応」の一部として行われます。ワークショップについてはこちらをご覧ください。