2021年06月24日

ケビン・クレメンツ所長が「卓越した学者賞」を受賞

Kevin P. Clements

 戸田記念国際平和研究所長であり、オタゴ大学国立平和紛争研究所(NCPACS)の創設者であるケビン・クレメンツ教授に、国際関係学会(ISA)から平和研究部門の2022年「卓越した学者賞」が授与されることになりました。

 ISAは、平和紛争学の分野で研究・実践・出版のいずれかにおいて顕著な業績を残した学者に毎年この賞を授与しています。選考委員会は、クレメンツ教授の軍縮、紛争解決、アジア太平洋地域における歴史問題と和解に関する、幅広い研究とその質の高さ、そして研究機関や組織の設立に関わる活動に深く感銘を受けました。

 クレメンツ教授は「この栄誉を私の同僚全員と分かち合いたいと思います。なぜなら、選考委員会が注目したのは私が取り組んできた『機関・組織構築』であるからです。皆さんの才能、努力、サポートがなければ、この組織作りはかないませんでした。授賞式ではNCPACSやオーストラリアの平和紛争研究の同僚に感謝の言葉を述べるのが楽しみです」と語っています。

 同賞は、2022年に米国テネシー州ナッシュビルで開催される国際関係学会大会の「卓越した学者賞討論会(Distinguished Scholar Awards Roundtable)」において、授与される予定です。

 クレメンツ教授は2020年に退職するまでの11年間、オタゴ大学に在籍していました。2014年にはニュージーランド平和財団のピースメーカー賞を受賞。国際平和研究学会(IPRA)事務局長、アジア太平洋平和研究学会(APPRA)事務局長を歴任しました。

 それ以前には、オーストラリア・クイーンズランド大学の平和紛争学の教授およびオーストラリア国立大学の平和研究センター初代所長を務めました。

 クレメンツ教授はこれまで、平和構築と紛争転換の分野における学術的分析と実践に取り組んできました。また、様々な非政府および政府間組織に助言を行っています。

 2013年にこの賞が創設されて以来、その貢献をこの賞によって称えられてきた著名な学者の集まりにクレメンツ教授は加わることになります。

 ISAは、国際問題、国境を超えるグローバルな課題を理解するために設立された、最も歴史のある学際的な学会の一つです。1959年に設立され、学者、実践者、政策専門家、民間企業の社員、独立した研究者など、世界中に7,000人以上の会員を擁しています。同学会は長年にわたり、国際関係の研究、教育、実践に携わる人々の意見交換、ネットワーキング、プログラム作りの中心的役割を果たしてきました。

 また同学会は、多くの研究者が参加する年次大会や地域・国際会議および定評のあるジャーナルやオックスフォード国際関係研究百科事典(Oxford Research Encyclopedia of International Studies)などを通じて、広義の国際関係研究における幅広いトピックについて、厳密な議論や研究、執筆を推進しています。