朝鮮半島における安心供与に関するワークショップ
2025年10月17日~18日
日本・東京
朝鮮半島における緊張と緊急性が高まる中、関係各国の立場には依然として深い溝があります。また、軍事的な準備はエスカレートし、公式対話は行われていません。戸田記念国際平和研究所は、抑止に代わる建設的な選択肢を探るため、朝鮮半島における「安心供与」に関する国際研究グループ・戸田研究クラスター(TRC)を設置し、このほど東京でワークショップを開催しました。ワークショップでは、朝鮮半島における武力紛争リスクを低減するための実践的な道筋として、安心供与措置の構築に着目して議論が行われました。
研究クラスターの目的
朝鮮半島における安心供与に関するTRCを設置した目的は、朝鮮半島の緊張に影響を受ける関係諸国が、相互信頼を構築し、互いに安心感を与え、抑止戦略への排他的な依存を超越するためになし得る実践的措置を探求するためです。戸田平和研究所は本TRCに韓国、米国、中国本土、日本の研究者や元政策立案者を招き、この議論への貢献を要請しました。
対話の構築
本TRCはこれまでに2回のオンライン会議(2025年7月18日、9月17日)を開き、3回目の会議を2025年10月17~18日に東京で対面形式で行いました。
TRC議長のチェ・ジョンゴン(Choi Jong Kun)教授は今後、議論の主な成果をまとめた包括的報告書を作成する予定です。またTRCメンバーは各国の状況に基づく見解を示す政策提言を執筆しました。これらの論文は学術誌「Global Asia」特集号に掲載予定です。
本ワークショップでは主に以下の点が議論されました:
1. 朝鮮半島における予防外交の取り組みの検証
2. 抑止力と戦略的安心供与の相互作用
3. 当事者が相互に提供することのできる、信頼性のある安心供与とは何か
4. 各当事者間の緊張緩和と相互理解の促進のための実践的提案の策定
- 南北朝鮮の間
- 北朝鮮と米国の間
- 分断された朝鮮半島を巡る、米国、中国、ロシアの間係
本ワークショップは、これらの議論を推進することで朝鮮半島の平和と安定の促進という広範な目標に貢献し、地域および世界の安全保障に広く影響を与えることを目指しました。
関連文献
北東アジアにおける安心供与に関する過去の研究クラスターの論文はこちらから閲覧できます。