
現状を把握し前進する―― 国連「未来のための協定」の「国際平和と安全保障行動」の機会と課題
戸田記念国際平和研究所
ジュネーブ国際・開発研究大学院 紛争・開発・平和構築センター(CCDP)共催会議
2025年1月30日~31日
国連事務総長の「平和のための新たなアジェンダ」を土台にした「未来のための協定」の締結は、人類が直面する喫緊の課題に関して国際社会がほぼ合意した稀有な瞬間となりました。しかしこの協定は、いくつかの積極的な要素はあるものの、漠然とした、あるいは曖昧な約束や自発的な行動に焦点を当てた不明確なロードマップでもあります。国際平和と安全保障を推進するための多国間(世界と地域の両方)の枠組みがここ数年危機に瀕しているということが広くコンセンサスを得ていることを考えれば、これは驚くべきことではありません。肯定的に見れば、特に「国際平和と安全保障」分野において、この協定には具体的な行動を起こすための明確な入り口がいくつか含まれています。
この状況は、機会と課題を与えています。この協定のコミットメントのいくつかについて、具体的な行動を推進するという機会もあれば、協定が不十分であった分野や沈黙を守っていた分野で新しいアイデアや戦略を推進する機会もあります。こうした課題には「予防アジェンダ」の重視、世界的な軍事支出や軍事化の負担増への対応、「気候危機と紛争の連鎖」に対処するための行動の促進、軍備管理・軍縮への柔軟かつ新たなアプローチの提唱、「女性、平和、安全保障」アジェンダの推進などが含まれています。
この2日間の会議では、専門家や学者が一堂に会し「未来サミット」とその結果としての「未来のための協定」に至るプロセスにおける成果と欠落を総括し、より広範な平和と安全保障のアジェンダに関する世界的、地域的、国家的な革新的な取り組みの入り口を特定することを全体的な目的としました。その主な目的は、革新的なアイデアの探求と促進、最先端の学問と現実的な行動の接点における対話の創出、そして今後数年間における具体的な行動を可能とできる入り口を特定することにありました。
ワークショップの報告書はこちらからご覧いただけます。
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