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協調的安全保障、軍備管理と軍縮

核の未来:(不)拡散、危険なドクトリン、および軍備管理の展望

2025年10月30日 - 31日

スイス・ジュネーブ

「核の未来:(不)拡散、危険なドクトリン、および軍備管理の展望」ワークショップ

2025年10月30日~31日

スイス・ジュネーブ

 米露関係、とそれに伴う核軍備管理体制と条約は、崩壊寸前ともいえます。既存の合意(新START)は2026年2月に期限切れを迎えますが、具体的な見通しは全く見えていません。加えて、核の威嚇、核の戦略的方針の転換、潜在的な兵器開発・配備(宇宙領域を含む)が日常茶飯事となっています。核拡散の懸念(北朝鮮、イランなど)が先行きを曇らせる一方、欧州やアジアにおける非核態勢の再考の必要性に関する議論が顕在化し、核不拡散条約体制の将来を脅かしています。

 原子力科学者会報の終末時計は現在、深夜0時まであと89秒を示している――「これまでで最も破滅に近い状態」です。2021年に発効した核兵器禁止条約は、核のない世界へ創造的かつ具体的に前進したいという強い意思表明であり、この繰り返しなされてきた約束はいまだ進展していません。「核のタブー」が依然として機能し、通常兵器による戦争と核戦争の間の防火壁は破られていないものの、技術的・戦略的・政治的な多くの動向が深刻な懸念材料となっています。

 こうした背景を踏まえ、戸田記念国際平和研究所は10月30、31の両日、「核の未来――不拡散、危険なドクトリン、および軍備管理の展望」をテーマにスイス・ジュネーブでワークショップを開催しました。本会議は2日間にわたり、専門家や学者を集め、核に関する世界の動向を検証。全体目標は、広範な(核)軍備管理・軍縮アジェンダに関する革新的かつグローバル・地域・国家レベルの取り組みの可能性を探ることでした。これには、実践的な交渉手順・プロセス、新規または再構築された多国間・小規模多国間フォーラム、市民社会や志を同じくする連合が先見的・野心的なアジェンダを推進する可能性などが含まれます。本会議の主な目的は、しばしば対立する二つのコミュニティー(「軍備管理派」と「軍縮派」とやや誇張して表現すれば)を結集し、我々が直面する脅威を巡る健全な対話を促進すること、そして今後数年にわたり、分断を越えた実践的行動とコミュニケーションのための架け橋を構築することにありました。

 会議では、既存の核軍備・管理の枠組みの機能不全に加え、技術の進歩による通常兵器と核兵器の境界の曖昧化が進み不安定性が高まっているなど多くの懸念が指摘されるとともに、世界情勢が米露の二極化から多極化へと変化していく中で、地域の安全保障や文化的な側面も考慮した多角的な視点での議論の必要性が検討されました。そして、核戦争という人類最悪の悲劇を回避するため、軍縮に向けての政治的合意のため、実行できることから着実に進めていくべきだとの意見が表明されました。

Image: Dragon Claws / shutterstock.com