東アジアの長期にわたる平和を維持する
日中関係と東アジアにおける米国の役割
国際ワークショップ
中国・北京
2024年7月28日-30日
戸田記念国際平和研究所と中国社会科学院(CASS)は、2024年7月28日から30日に中国・北京で国際ワークショップを開催しました。このワークショップは2023年11月に東京で開催された戸田平和研究所と中国社会科学院による初のワークショップに続く第2回目の開催となります。この地域の学者や政策立案者が一堂に会し、共通項を探り、相違点をより深く理解し、緊張を管理し、短期的および長期的に平和と安定を築くための創造的な方法を特定することを目指して行われました。今後、いくつかの分野における積極的な平和提案を推進する専門的な研究クラスターの設置も予定されています。
2023年11月にカリフォルニアで行われた習近平国家主席とジョー・バイデン大統領の会談後、東アジアの国際関係は改善に向かっているように見えました。しかしウクライナ紛争の影響を受け、最近の状況は好ましいものではありません。この地域は不確実な海域に入りつつあるのか、それとも嵐の始まりを目の当たりにしているのか。より安全な海へと導くためには何ができるのでしょうか。
1979年以来、東アジアでは長い平和が続いています。この間、中国は目覚ましい平和的台頭を遂げ、この地域では国家間の戦争は起きていません。しかしこの長い平和はこのまま維持できるのかという疑問があります。適用できる国際法や国際秩序のルールについて合意が得られていない中で、米国および同盟国と、中国の間の緊張関係は平和的に管理できるのか。戦後の東アジア地域秩序の歴史を考えた時、地域の平和にとって米国はいかなる役割を果たすのか、プラスかそれともマイナスか。日本と中国にとって、地域秩序に関する共通の利益と相違点は何か。長きにわたる平和を維持するため、各国はどのような国家戦略を進めているのか。より広範な運命共同体の構築に貢献しうる協力的な安全保障秩序構築の展望はどのようなものになるか?
ワークショップで話し合われたトピックは以下の通りです。
1. 戦後の東アジア地域秩序の歴史と法的基盤
2. 東アジアの長期にわたる平和を成し遂げるための条件
3. 東アジアの安全保障における米国の役割
4. 東アジアの安全保障における中国の役割
5. 北東アジアにおける協調的安全保障体制の構築
6. 日中韓と地域の近隣諸国
7. 日中韓の国家戦略:共通の利益と相違点
8. 平和的関係の構築:北東アジアにおける運命共同体
ワークショップの報告書はこちらです。