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協調的安全保障、軍備管理と軍縮

ワークショップ:NPT、TPNW、そしてウクライナ後の核軍備管理・軍縮の未来

2022年06月24日

ウィーン(オーストリア)

 2022年6月24日、戸田記念国際平和研究所とウィーン軍縮・不拡散センター(VCDNP)主催のワークショップ「The NPT, TPNW and Future of Nuclear Arms Control and Disarmament After Ukraine」がウィーンで開催されました。このワークショップは、核兵器禁止条約(TPNW)の第1回締約国会議に併せて開催されました。ワークショップの詳細な報告は、後日公開される予定です。

 ワークショップの一環として、当研究所出版の「The Nuclear Ban Treaty: A Transformational Reframing of the Global Nuclear Order(ルートリッジ社、2022年)」の出版記念イベントを開催し、ワークショップの参加者とオンラインからの参加も加え170名が集まりました。アレクサンダー・クメント大使と同書の編著者ラメシュ・タクール(当研究所SRF)によるプレゼンと質疑応答が行われました。

 クメント大使は、条約を実施段階に進める第1回締約国会議の重要性を強調し、核兵器廃絶への努力の真剣さを行動で示そうとする締約国の強い決意について訴えました。また、締約国会議では、核兵器がもたらすリスクや人道的影響について科学的根拠に裏打ちされた説得力のある議論を核軍縮に向けて行うことができたと強調。ウクライナ戦争を背景に、核備蓄の増加や核使用の実際の脅威を目の当たりにし、核兵器の分野で現在唯一正しい方向に進んでいる条約であるとの認識を示しました。また、今回の著作が条約について包括的にまとめられている出版物であることを称賛しつつ、TPNWとそれを支持する人々による議論を真剣に扱うには、学術的な論文がさらに必要であると強調しました。

 タクール博士は著書を紹介し、2017年にTPNWが採択されたことは、1970年の核兵器不拡散条約(NPT)の発効以来、核兵器の歴史において最も重要な出来事だと祝福しました。そして、「核兵器は常に非道徳的であったが、今や違法でもある」という広島の被爆者の心情を紹介しました。本書では、核のエスカレーションのリスクが高まる一方で、NPTが第6条で定めている軍縮目標を前進させるための規範的可能性が限界に達しているのではないかと、多様な背景を持つ著者たちが議論しています。タクール博士は、TPNWは第6条が履行されないことへの不満から生まれ、それによって、NPTを完成させた。したがって、NPTとTPNWは法的には両立しており、核兵器保有国や核兵器に防衛を依存している国の反論は説得力を持たないと主張し、こうした国々のTPNWへの強い抵抗は、自国民に核抑止力のメリットを喧伝するという彼らの不誠実さを強調しているだけだと結論づけた。

 その後、TPNWがグローバルな世界秩序にどのような影響を与え、反映しているか、TPNWとNPTの整合性、NATO加盟国が同盟を離脱せずにTPNWに法的に加盟できるか、特にTPNW非加盟国の国会議員が核軍縮に関する国の議論の転換にどう貢献できるかなど、様々なテーマで議論が行われました。

 プレゼンとディスカッションはこちらからご覧いただけます。(英語)

https://www.youtube.com/watch?v=9k-ho2mg5hE&t=605s

 この議論の要約を作成してくれたVCDNPのスタッフに感謝申し上げます。