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協調的安全保障、軍備管理と軍縮

ワークショップ:
核不拡散条約(NPT)と核兵器禁止条約の調和に向けて

2018年03月22日 - 23日

ソウル(韓国)

2018年3月22~23日、韓国・ソウルにて

戸田記念国際平和研究所は、核軍縮・不拡散アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)、欧州多国間核軍縮・不拡散リーダーシップ・ネットワーク(ELN)、核脅威イニシアティブ(NTI)と共同で、「核不拡散条約(NPT)と核兵器禁止条約の調和に向けて」とのテーマを掲げたプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、NPTと核兵器禁止条約の収斂を通じて、2020年のNPT再検討会議に積極的な影響を与え、世界規模の核軍縮および不拡散体制を強化していくことを目指しています。この目標に向け戸田平和研究所とパートナー機関は、政策専門家や政府の代表、実務レベルのキーパーソンらを招き、2018年3月22日・23日の両日、韓国・ソウルで研究会議を開催しました。

 2017年7月、核兵器禁止条約の採択に122か国が賛成票を投じました。これは、核兵器の保有、移転、使用および使用の威嚇を禁じる初めての条約です。核禁条約の支持者が当該条約とNPTとの相互補完性を強調する一方で、核兵器を保有する5カ国は、核禁条約はNPTの信頼性と威信を脅かす恐れがあると主張しています。

我々のNPTと核禁条約の調和を目指すプロジェクトは、現在存在する核政策の方向性と規範を示すこの2つの条約をもって、実質的に二分化されている現在の世界の核秩序への迫りくる諸問題に対処しようとするものです。その中で我々は、NPTと核禁条約間で調整が必要となり得る分野を特定しました。保障措置(セーフガード)の基準、実験、配備、核禁条約では禁止されている活動(核抑止態勢への支援)に関与している誰かを援助および奨励すること、という文言の意味と範囲、見直し・修正・査察・履行のための制度的取り決め、ならびにNPTに参加していない核兵器の保有国との連携等です。戸田平和研究所とAPLNは、この研究会議のバックグラウンド形成のためいくつかの研究を行いました。この研究の成果は当ホームページの政策提言シリーズの中で公開されています。

戸田平和研究所の政策提言を読む

NPTと核兵器禁止条約の間にある溝や格差を認識することを目的とした今回のワークショップでは、軍縮へ向けた段階的(ステップ・バイ・ステップ)アプローチおよび禁止アプローチの間で共有、重複および・もしくは相互に補強できる収斂分野を特定し、2020年のNPT再検討会議に向けてNPT締約国は何をすべきかを議論しました。

次の段階として、我々はこの研究会議から得た提言を推進するためのアウトリーチ活動をパートナー機関とのネットワークを通じて開始する予定です。こうした取り組みは目的を同じくする研究機関、とりわけ効果的な戦略を進めていくためにはその協力が不可欠な、核保有国の研究機関と協調して進めていくことになります

「ワークショップ:核不拡散条約(NPT)と核兵器禁止条約の調和に向けて」の提言を読む(PDF)

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