創立者・池田大作(1928-2023)
戸田記念国際平和研究所(Toda Peace Institute)は、創価学会インタナショナル(SGI)の池田大作会長によって、恩師である戸田城聖(創価学会第2代会長)とその恒久平和実現への構想を顕彰して、1996年2月11日に創立された。SGIは仏法の生命尊厳観を基調に平和・文化・教育の活動を推進する国際的ネットワークであり、池田は世界平和の構築と民衆の幸福のために尽くす一方、平和・文化・教育の興隆へ向けて多くの機関・団体を日本国内外に設立してきた。さらに、長年にわたり世界各国の著名な思想家や指導者と平和をはじめ地球規模の問題の実現可能な解決策について対話を重ねるとともに、多くの提言や執筆活動を行ってきた。1928年に東京で生まれた池田は、戦争と軍国主義の悲惨さを直に体験した。そうした経験も平和を願う行動の原点にあるといえる。
戸田城聖(1900-1958)と「原水爆禁止宣言」
戸田城聖(創価学会第2代会長)は青年期に教育の道を志し、卓越した教育者であった牧口常三郎(創価学会初代会長、1871-1944)と出会い、牧口を生涯の師と仰いだ。
その後、二人は教育と仏法の精神を通して人間の成長を促すことを目的とする創価教育学会(創価学会の前身)を創立するが、第2次世界大戦が始まると、平和主義と信教の自由を主張する姿勢が当時の日本の軍部政府による迫害を招き、1943年に悪名高き治安維持法違反、不敬罪の容疑で逮捕される。牧口は獄中でその生涯を終え、生きて出獄した戸田は戦後、民衆の救済と草の根の平和運動へと立ち上がり、1957年9月8日に三ツ沢競技場(横浜市)に集った5万人の青年を前に、遺訓の第一として歴史的な「原水爆禁止宣言」を発表した。それは、核兵器を正当化する思想の奥にひそむ生命軽視の魔性との闘争宣言であり、いかなる場合にも核兵器の保有や使用を絶対に認めないという信念からの叫びであった。この生命尊厳の思想に立脚した人類の生存権という不可侵の権利に基づく世界平和構築への強い願いが、戸田記念国際平和研究所の基本理念ともなっている。