政策提言

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最新の政策提言とレポート

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

リベラルな国際秩序の行方――再構築か、代替か?

政策提言  No.161 - 2023年06月26日

われわれは、世界情勢の転換点に立っている。すでに数年前から、アナリストたちはリベラルな国際秩序が崩壊する可能性を口にしている。世界情勢の重心がアジア太平洋へとシフトし、中国が飛躍的な台頭を続けるなか、より中国中心主義的な特徴を備るであろう新たな世界秩序に西側主要国がどこまで適応することができるか、また、その気があるかという疑問が投げかけられている。同時に、インド太平洋の重視は、インドが大国として浮上していることを示している。このような勢力図の変化によってもたらされる世界では、リベラルな西側民主主義国家、自由市場経済、英語圏諸国などがその優位性を失うかもしれない。欧州においてもアジアにおいても、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻や、台湾、南シナ海、朝鮮半島をめぐる紛争の先鋭化を受けて、安全保障体制が争点となっている。こういった状況と同時に、国際軍備管理秩序の崩壊、グローバル制度や地域的制度の部分的衰退も起こっている。国際制度は、パンデミックや気候変動、さらには新たなグローバル安全保障問題といった課題に対処する十分な能力を欠いているようである。どのような新しい規範や政策措置、制度変更が、歴史の弧を曲げて対立から遠ざけ、より望ましい未来へと近づけることができるのだろうか? 本ワークショップでは、世界情勢とグローバルガバナンスに関わる研究機関にとって、研究の新たな方向性はどのようなものかを明らかにすることを目指した。

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

代理戦争としてのウクライナ:問題、当事者、考え得る帰結、そして教訓

政策提言  No.147 - 2023年01月06日

ロシアのウクライナ侵攻により、欧州が世界情勢の中心に返り咲くとともに、地政学的・領土的紛争、そして1945年以来経験されなかった大規模戦力による地上戦が欧州に戻ってきた。本論文では、紛争の核となる問題、紛争当事者、この戦争におけるさまざまな結末、そしてこの紛争から導かれる主な教訓という、絡み合う4本の糸について、より長期的かつ広範な視点からこの危機を分析する。そして、「次はどこへいくのか?」という問いで論を結ぶ。

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

中国・インド・パキスタンの核のトリレンマとリスク低減策の必要性

政策提言  No.141, 142, 143, 144, 148, 149, 150, 151, 152 - 2022年12月 ~ 2023年01月

南アジアの地政学的な緊張は、国境を接していること、大きな領土問題があること、繰り返された戦争の歴史、政治的流動性・不安定性によって特徴づけられている。この危険をはらんだ力学は、中国・インド・パキスタンという三つの核保有国の軍事的動向、脅威に対する認識および、これら3カ国間の連携、敵対、抑止の関係によって形づくられる「核のトリレンマ」によって、より難しいものとなっている。

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

核軍縮と国連改革

政策提言  No.139 - 2022年11月04日

本政策提言では、まず核兵器禁止条約について説明したうえで、ロシアのウクライナ侵攻が核をめぐるグローバルな言説に及ぼす影響を論じる。3番目のセクションでは、「こういった全てのことは、国連改革のアジェンダにとって何を意味するか?」という問いに取り組む。

Cooperative Security, Arms Control and Disarmament

「ノルドストリーム」パイプライン爆発の謎

政策提言  No.138 - 2022年10月20日

2022年9月26日、2本のパイプラインは意図的な破壊工作による海中爆発で大きく損傷し、大量のメタンガスが漏出した。ほぼ全ての西側メディアがロシアを名指しで非難したが、モスクワはロシアに敵対する者の仕業であると主張した。世界のニュース報道や解説は西側メディアが支配しているため、ウクライナに関する西側の報道がどれほど国際的認識から外れているかに気付いている人は、西側にはごくわずかしかいない。